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市子さんは流浪する  作者: FRIDAY
肆:暗がりの奥で眠る記憶を
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12.共同任務

 

 行動が決まってからの市子は早かった。サーブされてくるスイーツを各ほぼ三口で平らげると、すっくりと立ち上がる。間髪おかず狐も立ち、慌てて白城と向枝も続く。

「さて、よしよし。そうと決まればさっそく行こう行動だ。まずすることは園田さんの論文探しだね。でも真っ当な論文じゃなくて、『三本に一本』の方だよ」

 伝票を掴むとスタスタと歩き始める。白城らが呼び止める暇もない。そのままレジで手際よく清算を済まし、店を出ていく。手際よく支払ったのは狐だが……しかも、白城と向枝の珈琲までまとめて払ってしまっていた。

「ちょ――ちょっと待って、それはいいんだけど、どこに行くの?」

「まずは古都最大の図書館かな。あそこなら、古い論文も保管されているだろうし。とりあえずはそこで調べてみる。そこから始めよう――ねえゴザル君」

「うぬ? 何の話に御座るか?」

 出入り口で座って待っていた白犬が急に話を振られて驚くが、市子は構わず向枝に振り返る。

「と、言うわけで。申し訳ないんだけど向枝さん、図書館まで車で送ってもらえないかな」

「え? ええ、構わないけど……私もいくつか仕事があるから、時間的に図書館までしか送れないわよ」

「大丈夫大丈夫。そこからはそれからだからね。ではよろしくお願いします」

 ぺこり、と丁寧に頭を下げた市子に、とうとう会話のリズムを取れなかった白城と向枝はお互いに顔を見合わせたのだった。


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