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市子さんは流浪する  作者: FRIDAY
肆:暗がりの奥で眠る記憶を
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01.鍛錬①

 

 

 広い空間がある。

 しかし、広いとはいえども終わりのある空間だ。

 そこは明るく、畳が敷き詰められており、そして四方を壁に囲まれている。天井の高さは4メートルほどか。

 一般に、道場と呼ばれるような空間だ。

 そこはその名と設備にふさわしく、武道を嗜むための場だ。この畳を踏みしめ、日々数多くの者たちが鍛錬にいそしんでいる。

 いや、正確に言えば、その畳を踏む者が練り上げているのは武道ではない。そのような生易しいものではない――言うなればそれは、武術と呼んだ方が相応しい。

 あるいは、より平たく表現するならば、戦闘技術。

 一足踏み入れば、見る者が見るまでもなく、知れる。

 その空間、畳のみならず、四方の壁、柱、天井にまでも刻み込まれた、新旧入り乱れる傷。そして補修の跡。

 それだけを見れば、そこで日々培われている武術の壮絶さが知れるというものだ。

 時刻は早朝。

 外はのどかに、空気は澄み、小鳥などが囀っている時分。

 しかし、この時間にも関わらず、道場には人影があった。

 人影は、ふたつ。

 

 


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