霰(あられ)~セサミーチ~
ナイトのところからセサミーチまで行くので長くなります。
温かい目でよろしくお願いします!
「ナイト・・・曇りの俺だよ」
もう一度考え直した。まず目の前で人が変わって繭で、消えて、いて、女が男で・・・
しばらく沈黙が続いた
俺は瞬きを繰り返している
「・・・壊れたな。まったくサリーがもう少し手加減すればいいのに。恐ろしいな女って」
ナイトとか名乗る奴は相変わらずベットに横たわってあくびをしている
さっきまで雨だったこの空は、今は曇り。A研究所があるこの場所は特別で何でも機械で天気を・・・おっと!ここからいってはいけないんだった。危ない危ない
ーってのんきに言っている場合じゃない・・・お、おれは観察員だ。観察して紙にまとめてバラン補佐に見せて、破かれて書き直して・・・じゃなくて!もう!こんがらがってるよ!
必死で理解しようと、ポケットを探ってみると、ガムがあった。スーパーレモン味だ
「これでも食べて・・・すっぱぁあ!」
思わず吐き出しそうになったが、迷惑そうな顔をしているナイト君の前にはさすがの俺でも吐き出せない。あわてて包み紙にしまおうとしたのだが、そうしているうちに口の中がすっぱくなって・・・あぁ!考え事もままならないぃ・・・
「おい」
こっちは緊急事態だっていうのになんだ?
「ぁあ?ぁぁすっぱ・・・」
口がなくなってしまいそうだ
「だから、おい!」
「ぁぁんだぉ・・・すっぱ!」
いらいらした様子で俺とナイトはほぼ同時に
「だから!なんだよ!・・・すっぱ」
俺は限界を超えて涙目になっていた、ないとは手を突き出している、そこに握られているのは・・・
「ぉぉ!・・・すっぱ」
包み紙だった
「ぁぁりがほう・・・」
急いででもナイトには背を向けてガムを取り出した
「ぷはぁ!・・・あぁすっぱかった」
まだ口の中がむずむずする
「しかし、どこにあったんだ包み紙、落ちてたのか?」
「いや、見てたんだ」
「なんだしまうところをか?」
あわてて包み紙をしまいながらほかにないかと探った
「ちげぇよ。お前の目からずっと見てたんだ。俺が現れてから」
ー!
「ストーカ・・・」
「ちげぇよ!俺は、『人の目線を見ることができる』んだ」
ーは?
「なにいってるんだ?寝ぼけてるのか?」
ナイトは頭を抱えて
「柔軟な頭持てよ、ジュエリーはともかくサリーはなにも・・・いわないなあいつ」
腕を組みしばらく考えた様子で
「俺達には天気と一緒に代わるのが4つある。1つ 人格、2つ 体格、3つ 年齢 4つ 能力
ってわけだ。人種とかもあるがそれはなぁなぁでな」
ー能力?
「俺らは超能力って言うのか?それがあるわけだ」
「はぁ??」
なんでこう、わからない事だらけなんだろうか?俺の世界ってこんなに狭かったっけ?
「っていうことだ、んじゃ!もう時間だ」
ナイトはたって俺を真っ白な部屋から追い出した
「おい・・・」
ドアを閉める直前に
「詳しいことは、セサミーチに聞いてくれ」
ガチャン!
ドアは閉まり、霰が降った
「霰・・・」
黒い窓枠からは霰のあたる音が聞こえる
しばらくして部屋に入ると、そこには
「キシシシシ・・・こんばんわ♪僕、『ソノンド・k・セサミーチ』。キシシシ・・・ども~♪」
悪魔みたいなメイクをしている。・・・いうならばゴスロリか。でも男か女かあまりわからない。というか笑い方がまず・・・悪魔だ
「どもどもぉ♪僕セサミーチ!よろしく♪君がカティっちだね!」
キャラがきつすぎる。こういう奴はバラン補佐の次に苦手だ・・・
「よ、よろしく・・・ところでいくつか質問を」
俺は苦笑いで必死に口を動かした。さっきのガムの味が下を包んでいるが、今は体中がすっぱい。
「キシシ!んじゃ簡単に説明タイム~!」
セサミーチは真っ白いベットのシーツを広げ始めた。
「カティさん!マジックを貸してくださいなぁ!」
ルンルン気分でシーツのしわを広げている。
「あ・・・あぁ・・・」
俺は呆然としながら隣にある俺の部屋と化しているところから安全に保管されているマジックを持ち出した。
「これ・・・」
「あっりがとうございっますぅ!」
俺の手からマジックをつかみ、まるで幼稚園児がクレヨンを持つようにシーツに何か描き始めた。
「♪」
俺はセサミーチの背中を見ながら状況をもう一度理解した
こいつは、『霰の僕』でゴスロリ?見たいな格好をしている。体格は小柄、人種は・・・なんだろう?だが白人みたいだ。そして紙は黒・・・染めてるのかどうかはいいとして。僕といっているからきっと男だろう。そしてきつい性格。ほかには・・・ん?
俺はふとナイトの言葉を思い出した
『俺らは能力も天気ともに変わるんだ。超能力者なんだよ、俺達は』
能力をこいつも持っているのか?
今のところナイトは『人の目線から何かを見ることができる力』サリーは・・・心でも読むことができるのだろうか?今度雨のときに聞いてみよう。ジュエリーちゃんは・・・きっと可愛い能力だな。ものをちょっとだけ浮かせることができるとか
そんなことを考えているとセサミーチは大声で
「できたぁ!」
といった
「ん?」
俺は首を伸ばしてみるとそこには幼稚園児の落書きみたいなもので書いてあった
「これは?」
俺が聞くと
「僕らの説明!」
そういった
「何だって!ぜひ聞かせてくれないか!」
俺は期待に胸を膨らませると急に寒くなったのを感じた
「さむっ!」
俺は腕を抱えた・・・待て?まさか天気が
「あれれれれ?僕はもうおさらばだね!またね~♪」
「なっ!」
待て! という暇もなくセサミーチは瞬く間にあのまばゆい光へと包まれていった。
そしてまたあの紅い・・・何かが
俺は気を失った
天気は 霙
ちょっと長かったかもしれないですが、呼んでくれてありがとうございました。これからもよろしくお願いします