大賢者の魔法と、森を覆う重苦しい緊張
タケルは巨大なメタルキングゴーレムに姿を変えた。
黄金の身体が軋み、重厚な音を立てながら、ゴブリンたちの攻撃に耐えつつ、前に進む。
結月は、異世界に降り立った日のことを鮮明に思い出す。
普通の大学生だった彼女が、図書館で手にした古代文字の書物。
未知の言語に触れた瞬間、強烈な光に包み込まれ、気がつけば異世界にいた。
最初は困惑したが、この世界では魔法が通用すると理解できた。
言葉の壁や文化の違いに苦しみながらも、独学で魔法を習得し、村を救い、やがて「大賢者」と呼ばれるに至った。
「厳しそうね……」
結月はタケルの動きを見守る。
「無理しなくていいわ」
手を広げ、魔力を空間に集中させる。
『グラビティバインド!』
森の地面に強烈な引力が生まれ、ゴブリンたちは泥に足を取られたように動きが鈍る。
同時に、タケルの足元には安定の魔法をかけ、重力の影響を受けずに前進させた。
突然、森の奥深くから、低く唸る咆哮。
「グガガガガァアア!」
闇の中から巨大な影が姿を現し、森全体に重苦しい緊張が走った。
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