暗黒舞踏会で千年魔法をぶっ放す俺、ロウィン! ~神も動くな、この夜の秩序は俺が塗り替える~
俺の瞳に、黄金の光が宿る。
「打ち合わせ通りに行くぞ」
シルヴァーナは魔力の波を読み取り、静かに頷く。
「了解。全力で支援するわ」
ヴァルカは高らかに笑い、闘志を隠さない。
「覚悟しておけ。誰も、止められはしない」
リリスはわずかに指先を動かし、黒い魔力の糸を張る。
「供給ライン、確立。魔力はいつでも流せる」
アルティアが薄い光の魔力をまとい、ふわりと宙へ浮かび上がる。
「ロウィン様の指示に従います」
そして、アリアは胸の奥で息を整えている。
(――やらせはしない!)
ディナーの終盤、舞踏会の音楽が静まっていく。
貴族たちは最後のダンスを終え、シャンデリアの光の下で余韻に浸っていた。
その中央に立ったのは、主催者アズラ・ダルファリア卿。
黒いローブに包まれた上級魔族が、角を光に反射させてニヤリと微笑む。
「皆様、本日はご来場、誠にありがとうございます!」
芝居がかった声が響き、観客席がざわめいた。
「暗黒舞踏会の開催を心より光栄に思います。今宵の宴が終わることを惜しむ声が、私には聞こえる……さあ――最後のダンスを!」
会場が沸き、拍手と歓声が渦を巻く。
だが、その歓喜は一瞬で凍りつくことになる。
「イッツ・ショータイム!」
アズラが両腕を広げると、床一面に赤黒い魔法陣が出現した。
その光が交差し、俺の足元を取り囲む。
観客たちは最初、それを派手な演出だと思ったのだろう。
だが――息が詰まる。
温度が下がり、空間が軋み始めた。
空気が、異常な魔力に満ちていた。
俺は躊躇なく詠唱を放った。
『千年魔法』
金色の光が、会場全体を包み込んだ。
時間が狂い、壁も床も揺らぎ始めた。
宙には巨大な時計盤が浮かび、針は止まったまま微動だにしない。
魔法陣の動きが止まり、世界が沈黙した。
声も、風も、光さえも――動かない。
「……なに? 体が……動かん!」
「魔力が……消えたのか!?」
天界の神々、魔族、冥族、人間。
この場にいる全ての存在が、たった一人の男――俺の魔法に支配されていた。
リリスとアルティアが同時に手を掲げた。
「――魔力解放!」
ダークエルフ王国の貯蔵魔力が、奔流となり俺たちの陣へと流れ込む。
その光は天井を貫き、神秘的な白い輝きを放った。
シルヴァーナは瞳を閉じ、息を深く吸いこむ。
そして――神速の詠唱を始めた。
『支配と法の神、ゼウス!』
雷鳴が轟き、金の鎖が空を裂く。
「愚かな者どもよ――貴様らの思い通りにはさせん!」
『人間界の大英雄、アレクサンドリア!』
聖剣が現れ、刃先が光を煌めかせる。
「さあ、どうする? これ以上の猶予はないぞ!」
『魔王アスタロス!』
咆哮が会場を満たし、空気が震動した。
「我が領土を奪うつもりか……全てを滅ぼしてくれる!」
『冥王、ハルバス・ドラウグス!』
黒い霧が噴き上がり、闇が会場を覆う。
「わらわのいない間に――何を企んでおる!」
観客たちは息を呑み、誰一人として身じろぎすらできない。
シルヴァーナが命ずる。
「会場を封鎖――誰一人、逃がすな」
ヴァルカの背から紅蓮の光が爆ぜた。
「闘神アグリオン・ラグナス、顕現!」
肉体が膨張し、血潮のような闘気が溢れ出した。
彼女の視線が神々を貫く。
「何かあれば、全滅させるぞ」
その一言が放たれた瞬間――
俺、ロウィンとその仲間たちの存在が、この夜の秩序そのものを、問答無用で塗り替えた。
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