転生令嬢の告白:「大ハーレム」と「恐ろしい運命」を回避せよ
――――ロウィンの視点。
VIPルームの扉がゆっくり閉まった。
残されたのは俺と、シルヴァーナ、そしてアリア――三人だけだった。
部屋の中央に置かれた円卓に、淡い光が差し込む。
アリアは姿勢を正し、少し間を置いて口を開いた。
「お伝えしたいことがあります。
私の転生の理由と、あなたが迎える運命についてです」
その声には、覚悟がにじんでいた。
俺は思わず動きを止める。
「このままでは――ロウィン様は、大ハーレムを築くことになります――」
淡々とした口調に反して、その内容は衝撃的だった。
理解が追いつかず、息を呑む俺とシルヴァーナ。
「……どういう意味だ?」
アリアは体の緊張を解き、言葉を紡ぎ始めた。
「私は、あなたとある女性との間に生まれた娘です。
ですが、時空魔法が使えなかったために処分されました。
その瞬間、初めてメニューウィンドウが開き……転生令嬢であることに気づいたのです」
その声には震えが混じり、涙が光っている。
信じがたい話だが、表情に偽りはない。
シルヴァーナは眉をひそめた。
「……そんな未来、本当に?」
アリアは視線を落とし、続ける。
「舞踏会の終盤、主催者の挨拶が終わると――恐ろしいイベントが起こります。
あなたは生きたまま、子孫を作り続ける運命に囚われるのです」
シルヴァーナが凍りつく。
アリアの表情は、苦痛に歪んでいる。
「未来では、時空魔法は未だ解明されず……子孫たちは実験台にされています」
空気が張り詰める。
俺は拳を握りしめ、問いかけた。
「どうすれば……その運命を変えられる?」
「時の神クロノスを呼び出し、新たな力を授かるのです」
その瞬間、心の中に声が響いた――クロノスと思しき声だ。
『呼ぶ必要はない。お前はすでに、それを使える。
誰も傷つけるな――大戦を止められるだろう』
俺は深く息を吸い込み、メニューウィンドウを開いた。
「……これなら、何とかなる」
肩の力が抜け、表情に安堵が満ちていくのを感じた。
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