【夜会裏】運命を上書きする女
――――ロウィンの視点。
「あなたの未来を守りたいのです」
その一言が、俺の胸の奥に深く響いた。
アリアは――ただの“転生令嬢”じゃない。
――夜のホールを抜けた、静かな回廊。
淡い光が床に伸びる中、俺はヴァルカ、リリス、アルティアと向かい合った。
「アリアについて、何か知ってるか?」
ヴァルカは少し考えてから、低い声で答える。
「転生令嬢ってのは、前の人生で果たせなかった願いを、今の人生で叶えようとする存在だ。だが、アリアは……運命そのものに触れている」
リリスが口元を緩める。
「普通は人目を避けて生きるのに、彼女は堂々と“守る”って言い切った。大胆すぎるわね」
アルティアは小さく頷いた。
「ロウィン様の運命に干渉できる者は滅多にいません……。彼女は例外です」
ヴァルカの瞳が鋭く光る。
「未来を変える女か――面白い」
リリスは肩をすくめる。
「まあ、どんな結果になっても、楽しみね」
アルティアの声だけは、真剣そのものだった。
「ロウィン様の選択に、すべてがかかっています」
俺はその言葉を胸に刻み、目をゆっくり閉じた。
「……みんな、ありがとう」
アリアの真意を確かめ、そして運命に向き合う――
俺は覚悟を決め、動き出した。
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