ダークエルフの側室候補、俺の選択次第で未来が決まる!?
――――ロウィンの視点。
ついに暗黒舞踏会のオープンセレモニーが始まった。
天井のシャンデリアが大理石の床に光を反射させ、会場全体を幻想的に照らしている。
音楽が優雅に流れ、貴族たちは華やかな衣装で踊り、観客の視線を一身に集めていた。
最初に舞い始めたのは、「デビュタント」と呼ばれる若い男女。
女性は純白のドレスをまとい、軽やかに旋回する。
男性がそれに合わせて動く。
俺は自然と視線をそちらに向けていた。
後ろからヴァルカの低い声が耳に届く。
「どうして震えているんだ?」
答えられない。言葉が、喉を通らなかった。
ヴァルカの目が鋭く光る。
「ダークエルフの女たちは、ロウィンと結ばれたいんだ。シルヴァーナがいるから遠慮していただけで、婚約期間に制限はない。チャンスは平等だ」
……俺は、反応できなかった。
「種族の存亡をかけ、高度な判断をする。簡単に言えば、シルヴァーナを正妻として、側室をつくる流れだ。あいつも現当主として結論を出すはずだ」
頭が真っ白になる。
ヴァルカがさらに問いかける。
「未来のお前が、復讐の鬼になった理由が分かるか?」
胸の奥に答えはある。けど、口には出せなかった。
ヴァルカの口元がわずかに歪む。
「肩の力を抜き、別の女性にも目を向けるべきだ。最悪の未来を防ぐためにな」
その言葉に、俺の胸の中で大きな波が広がった。
不安と決意が入り混じり、何か重大な選択を迫られていることを、俺は痛いほど理解していた。
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