実習は終わらない――幼女の神と次元艦隊の戦い
いよいよ実習が始まる。
私――シルヴァーナは、身がしゃんとした。
ルミナが手を高く掲げ、魔法の詠唱を始めると、床に描かれた魔法陣が淡い光を帯び、静かに輝き出す。
光の束が私たちを取り囲み、空間の輪郭がくっきりと歪み始めた。
「行くわよ」
ルミナの声が響くと同時に、光が膨れ上がり、視界は白に染まった。
──目を開けると、教室は消え、目の前にまったく別の景色が広がっていた。
足元には柔らかな草原、果てしなく広がる透き通る青空。穏やかな風が草を揺らし、空気はどこか生き生きとしている。
「ここが実習地よ」
ルミナが微笑む。
「そろそろね」
遠くの空に亀裂が走り、黒い飛行船がゆっくり姿を現す。
「近づいてきたわ」
ルミナの声は落ち着いていた。
飛行船が大地に着陸し、船から現れたのはエリスとマリス。
ロウィンは目を見開いて立ち尽くす。
「どういうことだ!?」
ルミナの声が耳に届く。
「次は、大艦隊が来るわ」
私も戦場に意識を集中し、魔剣「ナイトフォール」を握り直す。
目の前で空が暗く染まり、ダークエルフの神――ノクシリオンがその姿を現す。
「誰じゃ? 笑ったやつは?」
周囲を見回すその視線に、私たちは思わず身を硬直させた。
「ダークエルフの神といえば、幼女決まっとるじゃろが」
言葉を潜めて口にした。
「ノクシリオン様、バトルフィールド『死の国』展開」
大地が黒く変色し、荒れ果てた景色が広がる。灰色の空に冷たい風が吹き抜け、全ての生命が吸い取られるかのような異様な空間。
「冥王軍艦隊、デスナイトメア出撃」
命令を下す。
艦は黒いオーラに包まれ、表面に不気味な紋様が浮かぶ。
総司令ハルカ・イシカワが報告する。
「ワープ空間内で敵艦隊の位置を確認」
副司令官ユウスケ・ハヤトが状況を伝える。
「次元間航行、準備完了」
戦闘班隊長ミユ・ナハラが力を込める。
「ネットワーク防御、起動。冥王波動砲、充填」
刹那、敵艦隊がワープアウトし、強烈なレーザー砲が放たれる。光の線が空を切り裂き、冥王軍艦隊へ一直線に伸びる。
「次元間航行、開始!」
ユウスケの声が戦場に響く。
冥王軍艦隊は次元を超え、レーザー砲はすり抜けていく。
「オールシステム、グリーン。全軍波動砲、発射!」
ミユが手を振り上げると、黒くねじれたエネルギーが空を貫き、敵艦体をかすめると、あっという間に霧のように消え去った。
その瞬間、黒い仮面の男が姿を現す。
ルミナの表情が引き締まるのを、私は目の端でとらえた。
「ここからが本番よ」
全員の心がその言葉に引き込まれ、戦場を覆う昂ぶりが体にしみわたった。
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