晩餐会は修羅場です ~婚約者争奪戦、勝つのは血筋か愛か?~
――――ロウィンの視点。
晩餐会の会場。
煌びやかなはずの空間は、張りつめた緊張に支配されていた。
次々に立ち上がるのは、シルヴァーナの婚約者候補たち。
だが、彼らの言葉には必ず俺への侮蔑が混じっている。
最初に声を上げたのは、アルヴァス・ダークブレード。
王族の威厳をまとい、シルヴァーナを見据える。
「私は王族として、そして戦士として、あなたに尽くす覚悟があります。しかし――なぜこの人間が傍にいるのです? 下等な存在が、我らの世界で何を成せるというのか」
その冷たい視線が、俺の胸を刺した。
「あなたの未来は、王族の血を継ぐ私にこそふさわしい。どうか私をお選びください」
続いて、エリオット・シャドウフレイムが立ち上がる。
情熱的な声音で、だがやはり俺を見下した光を含んで。
「シルヴァーナ様。あなたのためなら、どんな困難も乗り越えてみせます。しかし……なぜ人間などが隣にいるのか理解できない。我らダークエルフと比べ、力も誇りも持たぬ存在でしょう」
握りしめた拳に熱が宿る。
「あなたを守るのは私です。どうか、その未来を共にさせてほしい」
三人目、ザイラス・ノクタリスは冷静な声で言葉を紡ぐ。
だが、その口元の笑みは計算高さを隠そうともしない。
「伴侶に求められるのは、力だけではありません。しかし、この人間が何の利益をもたらせるでしょう? 彼の知恵で未来に何が残るのですか」
視線は俺を値踏みし、言葉はシルヴァーナに向けられる。
「あなたが真に望む未来を手に入れるのなら、私と歩むべきです」
──胸の奥に熱が宿った。
「……どれだけ蔑まれようが、俺の気持ちは変わらない」
候補者たちに挑むような視線を返す。
「シルヴァーナの未来は、あんたたちの血筋や力じゃ決まらない。彼女自身が選ぶんだ」
俺の言葉に、シルヴァーナの瞳が揺れる。
誰よりも強い光を宿して。
彼女は心の奥で頷いていた。
他の候補者の押し付けではなく、自ら選ぶ未来を歩むのだ、と。
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