メテオ・ドラゴニア――戦場でも心はデート気分?
――――ロウィンの視点。
空が砕けるような轟音とともに、狂乱の風が大地を揺らす。冥界の力が満ち、魔王軍は破滅を告げる雷鳴のごとく迫ってきた。
「来たニャン!」
サラの声が響くと、ルミナドラゴン戦団の光の衝撃波が魔王軍に襲いかかる。空を埋め尽くす艦隊、群れなす魔物、邪竜、死霊騎士団――その全てが光に呑まれ、瞬く間に消え去った。
「全力で……行くニャ!」
声に合わせて、アルテウスの体内で何かが目覚める。魔力の波動が周囲に押し広がり、瞳に映る光が力を増していくのがわかる。
「パーティースキル……メテオ・ドラゴニア!」
その瞬間、彼女は巨大な体を空に輝かせ、戦翼を大きく広げた。翼はまるで天の扉を開くかのように広がり、空全体に神々しい光の円を描く。
刹那、天を裂くかのように無数の光の龍が空を駆ける。光の奔流が魔王軍を打ち砕き、指揮官たちは驚愕して逃げ惑う。だが、光は止まらず、誰ひとり抗えなかった。
その輝きは街にまで届き、無数の流星のように走る。サラが崩れ落ちる軍勢を見据え、低く、確かな声で告げた。
「次は――あの城ニャン」
その言葉に、俺も仲間たちも視線をデビルキャッスルへ向ける。城は冥界の暗雲に覆われ、巨大な高塔の上層部から禍々しい魔力が渦巻く。まるで挑戦状を叩きつけるかのように、空に圧力をかけていた。
「こんな魔力、今まで感じたことがないニャ……」
俺は周囲の混乱をよそに、手元のメニュー画面を開く。胸をかすめる妙な感覚。画面には、新たに二つのスキルが表示されていた。
『インフィニティ・カタストロフィ』
『アルテミス・ゲート』
「……今、これが使えるのか?」
思わず呟く俺に、隣のシルヴァーナが軽やかに声をかける。
「デートプラン、もう決まったの?」
「おいおい、こんな時に冗談かよ……でも、後でちゃんと話すか」
俺は笑みを浮かべつつ、胸の高鳴りを押さえる。戦いの前の、ほんの少しの余裕――いや、まだまだ序盤だ。
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