絶望のニュー・アルカディア――立ち上がる勇者たち
――――ロウィンの視点。
世界統一国家ノヴァ・ユニオンの最新鋭艦隊「ノヴァ・レギオン」が、異世界ラグナヴィアへのゲートをくぐった。俺は、シルヴァーナ、レイナ、そしてかなえと共に、ただその光景を見守っていた。
「ねぇ、ロウィン。あなたは、どうするつもり?」
隣に立つシルヴァーナの声が、静かに届いた。それは、微かな不安を帯びながらも、俺の決断を待っているようだった。
だが、艦隊は間もなく異世界のサイバードラゴン族と機械生命体の干渉を受け、オーバーライド能力で操られ戻ってきた。ノヴァ・レギオンは人間界の都市や軍拠点を無慈悲に破壊し始める。
最初の標的は、国家の象徴である巨大都市ニュー・アルカディア。防衛網はほとんど機能せず、都市はあっという間に瓦礫と炎に飲まれ、人々の心は絶望に覆われた。
混乱の中、呼ばれたのは天才ハッカー、ミユ・ナハラ。彼女は独自のウイルスで艦隊を止めたが、炉心の暴走で爆発を引き起こした。遠くの地平線に広がる煙と炎を前に、俺たちは壊滅したニュー・アルカディアへ急ぐ。
しかし、そこに現れたのは、冥界から現れた魔王軍艦隊だった。
空は暗雲に包まれ、冥王ハルバス・ドラウグスが開いた冥界の扉から瘴気が流れ出す。魔王軍の猛攻は熾烈を極め、街は蹂躙され、人々の叫びが響いた。
「……ニュー・アルカディアが……」
俺は言葉を失い、目の前の惨状に立ち尽くす。
「冥界の力? それがどうした」
シルヴァーナの声が鋭く突き刺さる。
「脅威なら、叩き潰すだけのことよ」
レイナは拳を握りしめ、その胸は熱く燃えていた。
「一方的に攻められるなんて……絶対に許さない!」
かなえの口から出たのは、掠れた、小さな声だった。だが、それはすぐに叫びへと変わった。
「……私たちがやらなきゃ、もっと犠牲が出る!」
その瞬間、突風と轟音を伴い、《ルミナドラゴン戦団》が群星のように舞い降りた。
先頭に立つのは竜王アルテウス。その背にはサラがいた。揺るがぬ決意が、その瞳から闇を射抜く。続いてダリウス、アリスティアも戦場へ降り立つ。
アルテウスが大地を震わせる着地を決めると、サラは軽やかに飛び降りる。駆け寄ったレイナが肩を叩き、笑みを浮かべた。
「来てくれたんだ、これで反撃できる!」
「遅れてごめんニャ」
サラは小さく微笑み、俺の胸も少し軽くなる。
かなえもまっすぐな瞳で言った。
「私たちの力を合わせて……絶対に勝とう!」
俺は沈黙を破り、静かに口を開く。
「希望はここにある! 人間界の勇者も動き出している。俺たちが力を束ねるんだ!」
サラは小さく頷き、迫る巨大な艦隊を見据える。
「戦力が増えるのはありがたい」
冷静を装うシルヴァーナの声に、抑えきれない熱が感じられた。
再び風が荒れ、低くうねる音が空の彼方から届く。冥界の力を得た魔王軍艦隊。その全貌が、ゆっくりと、不気味に姿を見せ始める。
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