幻術王ミストラル、真実を貫く瞳
迷宮の最深部へ進む一行。
突然、周囲の空間が歪み、景色がねじれ始めた。
ミストラルの足元がふわりと浮き、視界は過去と未来の断片で埋め尽くされる。
「またか……!」
チャーリーが声を上げた。
だがミストラルはすぐに意識を集中させる。
「この私に幻術で挑むとはな……」
瞳が鋭く光り、映るのは過去、未来、そして変化し続ける迷宮の景色。
最初に現れたのは、若き日の自分と師匠の笑顔。
懐かしさが胸に広がり、手を伸ばしたくなる。
だが次の瞬間、暗闇に包まれた地平線の向こうに巨大な光の塔が現れ、無数の敵が迫る未来が浮かぶ。
ミストラルが一人で立ち向かう姿が映った。
「笑止!」
目を閉じ、深く息を吐く。
過去と未来に揺さぶられるが、すぐに自分を押さえ込む。
「幻術王にかかれば、子供騙しに過ぎん!」
大きく手を振ると――
『真実の視界』
空間が震え、無数の映像は消え去る。
そして、一つの真実だけが残った
目の前に広がるのは、迷宮の本当の姿。
「どれほど強力な幻術でも、真実には勝てない」
ミストラルは呟き、目の前の仲間たちを見つめる。
「私はその真実を守る」
こうして一行は無事に現実の迷宮に戻った。
ミストラルの心には、未来のビジョンが鮮明に刻まれていた。
仲間を守るための決断の重大さを、彼女は理解していた。
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