覇運王ベルナ、奇跡のラッキーコネクション!
迷宮の深部。
重苦しい空気が圧し掛かる。
目の前には、崩れかけの橋と底知れぬ谷。
荒れ狂う川が滝のごとく轟音を立て、辺りには悪意の気配が漂う。
「どうするんだ?」
リチャードが声をあげた。
「このままじゃ渡れない」
オスカーは眉を寄せ、困惑した表情を見せる。
「一度に渡る必要があるのか?」
ゼノスは黙って立ち尽くす。
ベルナは周囲を見渡し、深く息をついた。
そしてゆっくり体を伸ばし、目を閉じる。
「少し待ってて」
低く呟き、祈りを捧げるベルナ。
やがて、風が渦を巻き、次第に音が大きくなっていく。
『ラッキーコネクション!』
ベルナの宣言とともに、虹色の光が輝き、空間が一変した。
瞬間、ゴールデンスライムの大群が舞い降りる。
幸運の気配が満ち、空気は穏やかに変わった。
「奇跡だ!」
ゼノスが叫び、仲間たちも歓声を上げる。
ゴールデンスライムは空中に虹の橋を召喚した。
意思を持つかのように、しっかりと足場が形成されていく。
「これなら渡れる」
オスカーたちは橋を前に安堵する。
スライムの光が温かく広がり、足元を優しく包む。
「行くぞ!」
最初に渡り始めたリチャードが声を張る。
他の仲間たちも続き、安全に道を進んでいった。
最後尾のベルナが渡り終えると、スライムたちを見つめる。
「ありがとう、黄金の友よ!」
スライムは柔らかく光を揺らしながら、静かに消えていった。
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