脱がない剣聖、今日も挑戦! 〜100回記念スペシャル〜
剣聖アレクサンドロス唯奈は、スイーツをほおばりながら、まるで子供のようにニヤニヤしていた。
周囲の空気は明るく、彼女の顔にはいつもの強気な雰囲気が漂っているものの、表情はどこか和らいでいる。
「お嬢様、随分とご機嫌ですね。まさか、たこ焼きロシアンルーレットでワサビ入りを引き当てましたか?」
リチャードが微笑んで尋ねると、唯奈はすぐにツッコんだ。
「なんでやねん!」
小さな茶番でも、気分が上がるのは悪いことではない。
リチャードはにやりとして続けた。
「最近、読者様からも、お嬢様がイイ感じだと評判ですよ?」
「元々ですから」
唯奈は何気なくドヤ顔を浮かべた。
その自信に満ちた態度は、さすが剣聖の称号を持つ人物ならではだ。
「それはそうと、リチャード、分かってる? 今日は本作の100回記念なのよ!」
唯奈は急に真剣な表情に変わった。
「ひとえに読者の皆様のお陰ですね。ありがとうございます」
リチャードは真摯に頭を下げる。
唯奈は軽く首をかしげ、そのまま話を続けた。
「100回記念といえば、シルヴァーナさんのセクシーなイラストが、きっとバーン! って感じで……期待されてる読者様が多いと思ってたのよ。なのに蓋を開けてみれば、私の出番だなんて……」
リチャードは目を見開き、問いかけた。
「お嬢様がヒロインの座についたと?」
「それは無理ね。シルヴァーナさんが本気を出したら、比べ物にならないでしょ? 第一話のイラストからすごかったし」
唯奈は苦笑をもらした。
リチャードも大きく頷いた。
「存在感がありますから」
「それに、私が脱いでも、『色気がない』だの『心にグッとこない』だの、散々言われたし……」
唯奈は不満げに言った。
リチャードは慌ててフォローする。
「お嬢様は、今のままで十分魅力的ですよ」
「そ、そうね……」
唯奈は頬を赤らめ、スイーツをつついた。
リチャードがふと話題を変える。
「そういえば、お嬢様にスピンオフ作品のオファーが来ていましたが……?」
「へぇ……まあ、お願いされたら出てもいいわよ。でも人気のためだからって、今度は脱ぎませんからね」
唯奈は冷静に答えたが、目にはどこか挑戦的な光が宿っていた。
リチャードは冗談めかして言う。
「マニアな読者様もいらっしゃるのでは? たまにはサービスショットを……」
「バーン! みたいな? ……なんでやねん!!」
唯奈は瞬時にツッコミ、つい一人で吹き出してしまった。
リチャードは呆れたが、態度には出さない。
「冗談ですよ、お嬢様。自然体が最強です」
唯奈は大きく息をつき、肩の力を抜いた。
「もう、本当に……からかわないで!」
唯奈は両手を前に揃え、深くお辞儀した。
「これからもよろしくね」
スイーツを楽しみつつ、今日も新たな冒険に出かけるのだった。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
イラストも楽しみたい方は、リメイク前の作品もぜひチェックしてみてくださいね。




