表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/10

エピローグ

 これが今日の水槽です。


 そう言って、テーブルの上に置かれた水槽を彼女は複数の目で覗き込んだ。

 違うわね、

 そう一言言って、後は一瞥もせずに今まで覗いていた水槽にもう一度複数の目の視線を戻しつつ、その水槽に近寄った。


 窓際に佇む男が、

 まだ、ダメかい、と。声を掛けても

 彼女は、水槽をコンコン叩いて、そこに居るはずもない魚、熱帯魚を呼び出し続けた。


 水槽を持ち込んだ男は、持ってきた水槽と、其の中に棲んでいる者と一緒に退出した。


 相変わらず、エアポンプと浄水機から吐き出される水の音が、その部屋を支配している。


 窓際の男が、複数の目で外の風景を眺めていたが、一点を見詰め、そして彼女に言った。


 そろそろ、次の場所にいこうか。


 そう、声を掛けられ、ゆっくり複数の視線を水槽から外さず答えた。


 夕日が、オレンジ色を濃くし、その色がカーテンに映えた。


 同時に時を報せる、掛け時計の鐘の音が部屋中に響いた。


 急かすように。


目を通していただき、有難うございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ