5魔法
随分と体力が回復したため今日から魔法の練習を始めることになった。
「よろしくお願いします。カイネル先生」
魔法を教えてくれるのははカイネルさんらしい。
「ヴィヴィアン様は北の大地の救世主ですからしっかりと正しい魔法を学び上手に使いこなせればこの領地を救うことが出来るでしょう。」
とても機嫌がよさそうだ。おそらく魔力出現時のせいだろう。マリアンが兵士に刺されそうになった時私の叫び声で大広間が石に変わったらしく、最近その石を割ると中からかなり上質な魔法宝石が採掘されたそうで窮地に立たされたこの領地にたちまち大金が舞い込んだのだった。
「そんなお世辞はいいから早く始めたらどうだ。」
隣を見ると憎たらしそうにカイネルさんをの乱でいる殿下がいた。
「もちろんレオンハルト殿下も素晴らしい魔力の持ち主です、将来この国で一番の魔力を手にするのは間違いなく殿下でしょう。」
さっきよりも上機嫌に話し出したカイネルさんはなんとも嬉しそうだった。
「では始めていきましょう、ではまずは基本的な座学からです、~~~~~~~~~」
実践をできると思っていた私だったがこの日から一日中机に向かい切りの生活が始まった。
「あーーー疲れた。明日も朝から勉強かあ。」
「おい、お前、今日も一緒に寝てやろうか?」
後ろから殿下が話しかけてきた。あの日からたまに二人で布団に入りおしゃべりをした後に就寝することが多くなった、
「ヴィヴィアンって呼んでよ、殿下こそ怖くて眠れないんではないですか?」
このやり取りがいつもの日課になりつつあった。
「。。。レオンだ。」
「はい?」
「ヴィヴィアンと呼んでほしいならレオンと呼べ。あと、敬語もなしでいい。どうせ俺は世間からはみなしごなんだし。」
「分かったわ、じゃあレオンもヴィアって呼んでね。今日は私の部屋に集合にしましょ!」
いつも笑うこともなく完璧に整った顔が緩んだ気がした。
その日の夜。レオンはカイネルさんについて教えてくれた。
「カイネルは父上の優秀な部下だったんだ。」
国王陛下が太鼓判を押す魔法使いだなんてかなり優秀だったんでしょう。
「ある時カイネルは母上を離宮の庭で見つけたらしい。その時からカイネルは母上に忠誠を誓ったらしい。だから俺がここに来ることになった時もカイネルは父上のもとから消え去りここについてきてくれたんだ、」
普段はなんとも冷たそうな目で会話をするのになんだか今日はとても暖かそうな目で会話をしているように感じてとてもうれしかった。
「ヴィアの連れてきたマリアンもかなりの魔法の上級者だよね。それに財政もできるとなれば素晴らしい人材だね」
私が伯爵家にいたころは魔法が普通だったからなにも感じなかったがマリアンは優秀すぎる。メイドの身分で魔法が使用できるのも珍しいしそのうえここのの領地の財政は今のところすべてマリアンが管理してくれている。
そんな話をしながら今日も眠りについた。