3、真実
「お嬢様のおかげなんですよ」
マリアンは優しくわらった。
コンコンコン
「失礼します。ヴィヴィアン様」
そう言って入ってきたのは私が記憶を失う直前まで顔を真っ青にしていた男の人だった。わたしは泣きはらした顔を見られるのが恥ずかしく顔を合わせないでいると
「ちゃんと年相応の顔もできるんだな」
うしろから入ってきた男の子に冷たく言われてとっても恥ずかしかった。
「コホン、これからヴィヴィアン様には真実をと伝えしようと思います。
その前に申し遅れました私カイネル・テイザーと申します。」
男の人は真剣なまなざしでこちらを見つめてきた。
「カイネルさんそれはまだ早いです。お嬢様はまだかなり熱もありますし、、、」
決まづそうにマリアンが返事をした。きっとマリアンは私に聞かせたくないのだろう。
「カイネルさん私聞きたい、ぜひ聞かせてほしいの。」
早く教えてほしかった。神にまで嫌われた自分の大罪を。それを聞いて納得したかった。カイネルさんは困った顔でマリアンと私の顔を見て静かに一息ついた後ゆっくりと口を開いた。
「では、お伝えします。」
「およそ一か月とちょっと前、一年に一度の信託がなされました。このことはご存じだと思います。
ここで今年は世にも珍しく二つの信託が受託されました。
一つ目は、望まれぬサラマンダーこの国の灯を絶やすだろう。
二つ目は、三匹目の狼、この国に冬をもたらすだろう。
というこの二つの信託がなされました。何が言いたいのかわかりますか?」
「ほんの少ししか、、、」
「さすが賢いとうわさされるだけのお嬢様ですね、王都教育も始まったばかりなのにお見事です。
それでは詳しく解説していきましょう。まずこの国はかつて吹雪が吹き荒れ草木は育たず、日の当たることはない国として土地を奪い取るために常に争いが絶えませんでた。そんな荒廃した土地を一つにまとめたのが現在の国王の祖先ハント・ルドモンド国王でございます。吹雪の世界化に光と暖を与えたことからこの国の神話に登場するサラマンダーのマークを王家の紋章にしているのです。もう起き好きかもしれませんが望まれなかったサラマンダーとはこちらにいらっしゃるレオンハルト殿下のことを刺します、殿下の母上は現在の王妃クリスタル妃殿下ではございません。」
分かりやすくゆっくりと話してくれたカイネルさんは今にも泣きだしそうだった。
「。。よくわかりました。では、私は、?」
「この話にはまだ続きがございます。この国のきぞぅたちは10歳になると神殿へ参拝するという儀式があるはずです。そしてヴィヴィアン様は今年その儀式を通過なさいましたね?」
「はい。」
「あれは実はただの儀式ではなく魔力値を計っているんです。そしてヴィヴィアン様の魔力の量は次期国王であられるマクシード・ルドモンド様の値を上回っていらっしゃいました。これはレオンハルト殿下も同様です。おそらく、未来の行政に邪魔になると判断されたのでしょう。そのため殿下とともにこの何もない北の大地へとおくられてきたのです。残酷な話になってしまいましたがこちらが真実になります。」
「そんなっ、私まだ魔法なんか使えないわ、それに」
「お嬢様、まだ熱があります、ゆっくりお休みになってください。
マリアンが私を引っ張り眠り呪文を唱えた。それからの意識はなかった。