光魔法…
「はい。それでは授業を始めますが、その前に皆さんは自分がどのような能力を持っているのかを理解する必要があります。ある人は火、ある人は水、ある人は光、人によって得意なもの相性がいいものはそれぞれ異なるのです。何が優れていて何が劣っているとかはありません。皆さんに与えられた一つ一つの能力が贈り物なのです。偉大な魔法使いとしてそのことを決して忘れないでくださいね、」
カイネルさんも同じようなことを言っていた気がする。なんだか少し懐かしい気持ちになった。
「それでは皆さんに今から1人1つ魔法の泉からくんできた水の入っているキューブを渡します。勝手に触らないように。」
目の前に手のひらサイズの透明なキューブが現れ中に水が入っていた。
「まだ魔力が目覚めていない方もいると思いますが安心して。魔法の泉は微力な魔力でも感知することが出来るのです。皆さんにキューブが行き渡ったようなので始めます。さぁ、キューブを手で包み込んで。ゆっくり深呼吸しなさい。あなたの形に合わせてくれるはずです。」
教室が一気に静かになったと思ったら前から信じられないほど眩しいひかりが放たれ教室中が騒いだ。
「まぁ噂に聞いていた通りエリック殿下の光魔法は素晴らしいですね、」
私は隣にいたルイストの方を思わず見た。
「ねぇ、今のが光魔法ですって?」
「えぇそうよ。エリック殿下は歴代でも郡を抜く光魔法の持ち主なの。ねぇ、みて泉が沸騰したわ!私の適性は火みたいっ!!!!」
無邪気に報告をしてくるルイストの手元を見ると中の水がぶくぶくと音を立てていた。彼女にピッタリね。
「えぇそのようね、すごく似合ってる。」
「ありがとうヴィヴィアン。あなたの適性は?」そう言って彼女は私の手元をのぞきこんできた。
「...これは?」
私の手元には水だけでなく容器まで宝石になったキューブがある。
「私の適性は石なの。宝石にもできるし石にもできる」
「...石?炎の共鳴者は全員光魔法の持ち主だったわ。やっぱりあれは間違いだったのね。」そう言って自分の沸騰したキューブを嬉しそうに眺めていた。
前を見るとブロンド髪の彼と目が合った。
...光魔法ね、、、。




