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19 適性

見るからに由緒正しそうなブロンドの髪の毛の少年が階段を登ってくる。


短剣で手のひらに傷をつけツボの中へ一滴血を垂らした。

中からは大きな紫の炎が上がった。

「魔法。」

シーンと静まり返ったホールに校長らしき人の声が響いた。次に盛大な拍手が鳴り響きホールはお祭り騒ぎっだった。私も訳が分からず拍手をしておいた。

次から次へと人が呼ばれ振り分けられていった。見る限り魔法に分類されるのは極わずかだということがわかった。

なんだかんだで式が終わった。


「リリー、帰りましょ。」

「…えぇ。」

リリーは少し気まずそうに私の手を取った。

寄宿舎に戻り部屋に入ったあと

「ねぇリリー私何かまずいことしたかしら。」

先程のホールで起きたことを思い出した。ツボに血を流した時紫色の炎がツボから飛び出し会場を一周したのだ。

「…え、えっとその。えぇ。そうね。なかなかない事だからみんな驚いていたんじゃないかしら。」

そう言ってリリーの目は泳ぎまくっていた。沈黙が流れ続ける。

「ねぇ。もしかしてヴィヴィアンはこの国の人では無い?」おっとりしてそうなリリーだけど核心を着いてきた。

「えぇ。そうなの。両親が幼い頃になくなって隣国で育てられてたの。」

「そうなの。では知らないかもしれないね。」

そう言って気まずそうに思い口を開こうとしてくれた。

「あのね、まず今日わかった通り新入生が500人くらいいるうち魔法の属性を持つのは40人前後。だいたい10パーセントもないの。それにね、あなたが起こしたあの炎の周回のやつ。あれは炎との共鳴と言って何十年に1人出たらいい方なの。そしてそれを起こした前回の人が現王アデノアル・ゴールドスター殿下なの。」

淡々と震えるように語ってくれた彼女に私は感謝でいっぱいだった。

「そうだったの。話してくれてありがとう。」

彼女はコクリと頷いた。

「……今年は炎との共鳴を起こすであろうっていう予言があってその人物こそがエリック様なのではないかって言われてたの。」

なんとなく会場の雰囲気で感じてはいたが私は何やら大やらかしをしてしまったようだった。

「そうなのね……。」

「ヴィヴィアン。エリック様は……。いやなんでもないわ。」そう言ってリリーは自分のベットのカーテンを閉めてしまった。

エリック様は……なんなのだろう。

そう思いながら私も深い眠りに落ちた。手のひらの傷が少し痛む。

寂しい。会いたい、。

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