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17 門出

第2章入りますここから恋愛要素増やしていきます!

新しい季節が始まった。


「お嬢様。ご立派になられましたね。」

屋敷の前でマリアンが涙ぐみながら馬車に乗る私を見送ってくれた。いつもならセントラル学園まで着いてくると言いそうなマリアンだったけど領地のことが心配なのか大人しくここで見送るらしい。


「マリアン、ずっと面倒をかけてしまってごめんなさい。私もできる限り学園で領地のことをやるわ。」

マリアンにはずっと迷惑をかけてばかりで後ろめたかった。

「とんでもございません。素敵な学園生活になりますように。」

そういうとマリアンは優しく微笑み手を振ってくれた。

馬車が動き出す。人に送り出されて新しい場所に向かうのは人生で2回目の事だった。あの時は両親の悲痛な叫びとともに出発したが、今回は大切な人からの暖かい言葉で門出ができ少し嬉しかった。

馬車を走らせて3日段々と中心街へと近づいてきていることがわかった。しばらくすると馬車が止まりドアが開いた。

「お嬢様。こちらがセントラル王都学園でございます。」

どうやら到着したようだった。

目の前には大きな城がそびえ立っていた。

「恐れ入ります。お名前をお願いします。」

学園の警備らしき人が名前を訪ねてくる。

「ヴィヴィアン・スラグホーンでございますわ。」流石に本名を名乗る訳には行かずマリアンが必死に考えてくれた名前を名乗った。

「お名前の確認が取れました。ご案内致します。」

そう言われ馬車の荷物を手に前を歩く警備員らしき人の後ろについて行った。


「こちらがスラグホーンご令嬢の宿舎になります。」

どれだけ歩いたのだろうか立派な城からはかなり遠くの手入れがあまりされていない石造りの簡素な寄宿舎に案内された。嘘でしょ、、、。

警備の人は荷物を置くなりさっさと去っていってしまった。不安になりながらも案内された部屋を開ける。

ギィィと古臭い音が鳴った。

「あら、初めまして。もしかしてパートナー?」

扉を開くと驚くほどに美しい少女が立っていた。金髪の中でも輝きを放つ白に近い金に驚くほど透き通る碧眼を持った少女が笑顔で問いかけてきた。

「ここに案内されたの。初めまして。」

緊張で声が強ばった。

「そうなの!それじゃ私たちペアみたいね、」

とろけるように笑うその顔に惹き付けられる。

「え、えぇ。よろしく。私ヴィヴィアン・スラグホーン」

同い年の子なんてほとんど話したことがなくとても緊張した。

「えぇ!よろく私リリー・エミリアムよ!」

白くてすらっとした手が前に差し出された。はずかしさと嬉しさが混ざった初めての感情に心が少し浮ついた。

「よろしく、リリー」

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