11 領主
まばゆい光に包まれながら私が今日収める土地にやってきた。この場所は北の大地よりも東にあるため日が顔を出し始めていた。
「お嬢様、どうやらついたようですね。」
「ええ。そうね、急ぎましょう。」
私たちは屋敷に向かい急いだ。
「ずいぶんと立派な名手ものですね。」
屋敷の門についたとたんぽつりとマリアンがつぶやいた。
「ええ、そうね。天国でもあり時刻でもある場所よ。」
見た目は天国のような場所、でもそこに住む人々の現状はナントの無残だった。
「これはこれは救世主様。もうお越しいただいたんですか。」
振り返ると昨日よりは幾分か顔色がいいあの時の老人がたっていた。
「初めまして、本日よりこの領地を治めることになりました、ヴィヴィアンです。」
この老人とは昨日一切会話をしていなかったため少し居心地が悪い。
「あらあ、お嬢さんが領主?これはまたかなり若くいらっしゃる。」
やはり私のような子供が領主だなんて頼りがいがないかしら、どうしようこのままうまく統治することが出来なかったら。。
「これは大変失礼しました。決して悪気があったわけではございません。恩人には変わりありませんし。ただ少し驚いてしまっただけでございます。ヴィヴィアン様どうぞよろしくお願いします。」
老人は深々と頭を下げた。
「お約束した通りここを立派な街にしてみせますわ。よろしくお願いします。」
私も頭を下げた。領主が頭を下げるなんておかしいかもしれないがこれはこんな子供を信頼してくれたことに対する私なりの大家だった、だから、マリアンが嫌そうな顔をしたのは気にしないでおく。
午前中には荷ほどきはすべて終わっていた。荷ほどきという荷ほどきなんてほとんどなく、殆ど屋敷にある家具や食器を使うことにした。
「お嬢様、来てください!大変です。」
部屋を整えていたら庭から大きな声が聞こえてきた。何事かと思いすぐ庭に向かうとたくさんの領民たちが門に押し寄せていた。
「領主様にお会いしたいです、。」
「助けてください、、!」
「お礼を言いたいの!領主様にお会いしたいです、」
たくさんの人が来ていて驚いたが私たちに反感を持つ人はいないように感じた。
「あ、あの。お話は昨日の場所でお聞きします、12時になったらまたお会いしましょう、」
少し怖かったが勇気をもって答えると。
「分かりました、お嬢様、旦那様にお持ちしているとお伝えください、」
といって去っていった。まだみんな私が領主だとは思っていないようだった。
「大丈夫ですお嬢様。きっと皆さん受け入れてくださいます。」
さっきまで悲鳴を上げていたはずのマリアンは急に私の背後に回り私を励まし始めた。
「ええ。ありがとう。」
私はしぶしぶお礼を言い。また書籍らしき部屋に戻った。
時は12時恐る恐る機能の神殿に向かった。大丈夫、大丈夫。そう言い聞かせて今朝もらったばかりのブレスレットを触る。
音もなく開く立派な扉の先には昨日よりも少し多いくらいの領民たちがいた。領民の間を通り部隊の上に立った。
「初めまして皆さん。この度この土地の領主になりました。ヴィヴィアンと申します。」
声が震える、怖い。恐る恐る前を向いた。、みんなはきょとんとしている。昨日レオンはあんなに堂々として皆の前に立っていたのに私は。。。
「よくぞおいでになられた、救世主様。」
一番初めに声を上げたのは朝一番に出会った昨日からお世話になっているあの老人だった。かれに何度救われたとこか、、。
「驚いた方も、不安な方も、頼りないと思う方もいらっしゃると思いますが、皆さんの期待に応えるよう精一杯頑張ります。」
領主らしくはないかもしれないが私のやり方で皆でこの土地を立て直していきたい。そして茨くするとあふれんばかりの拍手が沸き起こった。しばらく人々が拍手をするだけの時間が流れた。
うれしかった。




