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(24)加山も失神済み…?

焼肉やからの帰り、彩香のひどい運転で俺は、一夜明けても立ち直れないまま、

次の日の午後事務所に行った。

彩香には、まだ会いたくない。

あいつの顔を見たら、夕べの恐怖を思い出して、また吐き気がくるかもしれない。

恐る恐る、事務所のドアを開けたが、彩香はタレント部に行っていていなかった。

ホッとした…。


加山が俺の顔を見て、「大丈夫だった?昨日…」 心配そうな顔で聞いてきた。

「え?なに…が…?」

「彩香ちゃんの…運転」  加山が眉を寄せた。


知っているのなら、教えて欲しかった。もっと早くに教えて欲しかった…

もう、遅い。



*************************



「えええーーーー!!彩香ちゃんが悠の車を運転して帰るぅぅぅぅぅ?

 お、終わりだ。ゴーディオンの新しいボーカルを探さなければ…。

 悠の明日はない…ご、ご愁傷さま…悠」

彩香が俺の車を運転することが、わかったときの加山の心の声だ。




数日前、加山と彩香が、レーベル会社に出向く日。

「あっ、彩香ちゃん、免許持ってる?運転していってくれるかな?」

「もちろんです!!」

彩香は元気に答えたそうだ。

加山は彩香にキーを渡し、助手席に座った。



彩香は、最初にキーを差込み、エンジンをかけた。

次は、昼間なのにヘッドライトを点けた。

「あっ」と言いながらヘッドライトを消し、次は、左のウインカーを点けた。

縦列駐車で発車するとき「この車出ますよ~」みたいな合図でウインカーを出すが

左側は壁だ。

また「あっ」と言いながらウインカーを直し、次に、彩香がやったのはワイパーで

フロントガラスを掃除した。

「きれいになりましたね!」と言い、サイドブレーキも下ろさず、アクセルを踏み続けて

首をかしげていた…らしい。

不安になりつつ、ようやく発車…。

加山は、シートベルトを両手で握りしめたところまでの記憶しか残っていない…

…と言った。


その後は「着きました~」の彩香の声で意識が戻った。

そして、その直後、加山は激しい嘔吐に見舞われた…らしい。

それ以後、彩香には運転をさせていない。

加山は言った「車で離陸が出来る事を初めて知った」と。



昨日、家に帰った加山は、彩香と俺が心配になり、時間を見計らい彩香に電話をすると、

「あっ、加山さ~ん」

「なんか、悠の車運転して、自信がつきました!!今度から私が運転しますから」

と、彩香はご機嫌な声で言ったらしい。



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