ハギザ35
ひさしぶりハギザ
『酒買えるか試してみるか?』
「流石に駄目じゃないか?未成年ってバレるよ」
『駄目なことなんてないぜ?それに試すだけだ』
僕の意識とハギザの意識。
頭の中で会話すること自体がこんなにも心地いいのは何故だ。
「いらっしゃいませー」
どこまで歩いてきたかもわからない。
そんな場所で見えた深夜のコンビニ。
僕はハギザに任せきりのまま、ハギザが提案した「試し」を行う。勝手に手が伸びたと思えば、缶ビールの冷たさを手のひらで感じる。
この時、ハギザもこの冷たさに気づいているのだろうか。そんな考えをしている頃には、僕と店員しかいないコンビニのレジで向かい合った。
そして、ハギザはなんの躊躇もなくレジの台に缶ビールを置いた。
緊張をしている僕は、店員から目を背けていたけれど、ハギザの意識が優先されてしまい、強気にも店員の目を直視してしまう。
小太りで、眼鏡をかけたやる気のなさそうな店員の目。それと、僕の化け物よりもずっと弱そうで小さな化け物。少なからず、僕自身に対して猫のように威嚇しているのはわかった。
「袋はいりますか?」
「あ、だ、だいじょーぶです」
店員と目があった途端、店員の口も元が動いた。その瞬間、身分を証明するものを要求されると思ったけれど、意外にも、すんなりと買うことができた。
「ありがとうございましたー」
コンビニの出口まで緊張していた僕。
ハギザの勇気と、くだらない考えに対して、何処かで負けているように感じていた。
『なあ!簡単だなぁ!この調子だぜ!なあ!?」
「そうだな。でも、これ誰が飲むんだ?」
『あぁ?俺様だ』
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