ハギザ20
ハギザって厨二感ある
頭の直ぐ近くで目障りな振動を感じる。
意識が戻ってしまった後悔と、学校を休んだ喪失感から目が覚める。
『しん!起きたかぁ!』
「うおっ、びっくりするだろ」
僕の名前を呼ぶ機嫌取りなハギザに殺されかける。
『なぁなぁ、出かけよーぜ?前みたいに知らないところに行こうぜ』
今ハギザが期待値を増幅させているのには理由がある。それは夏休み中のことだ。
僕は一人で知らない場所に行くという意味不明なことをした。その時に、人生で初めて野宿をした。
田舎の古い駅のベンチで、一日中歩き回った疲労感と、嫌な汗を感じながら寝た覚えがある。
それは当たり前にも、非日常的なことで不安になっていた僕。
その不安を掻き消すために、あの日は、ずっとハギザと表裏一体になっていた。それからのことはあまり記憶になくて、次に僕が目を覚ました時には、家のベットで寝ていた。しかしそれは、全く心地が悪いものではなかった。ハギザに取り憑かれると気分が良くなるんだ。
「お前さー、調子乗るから嫌なんだよ、この前だってどう帰ったかも覚えてないし」
『がはっ!がははは』
行く前提で話を進めているハギザだけど、僕はそれほど気は乗っていない。
「あっ、電話鳴ってたんだ」
ハギザに気を取られてしまい忘れていたスマホの振動。既に鳴り止んでいるスマホの画面を見て、恐らくは学校側からの連絡だろうと予想していた。
「えっ、月乃さんからだ」
『がぁー、ほっとけほっとけ』
「あっ、もしもし月乃さんどうしたの?」
ハギザの言うことを無視して直ぐに電話をかけていた。
「なんでもない」
「え、ちょっ…」
ぶち。
愛想のない声と同時に去った。
『ほれ、やめとけって言ったのに。どうせ他人はよ、自分以外のことなんて考えちゃいないんだ。用がなくなればお前からの折り返しの電話さえ邪魔だとよ、がはっ…』
「そんなんじゃないよ、たぶん」
『庇うな、腐るぜ?いや、今のお前は期待してるんだな?一体何にだ?』
「お前の名前さ、ウザイに改名してやろうか?」
『がはっ!名前なんていらねーよ』
喧嘩腰のハギザに喧嘩腰で返すと、当たり前にも喧嘩に発展する。こんな僕らは子供だ。
「もういいよ、今日は寝る。おやすみウザイ」
『がはっ、いずれ行きたくなるだろ?俺がお前に取り憑かなきゃ、、お前は死ぬぜ?』
「はいはい、おやすみ」
昼間の時間に目を覚ましたけれど、君からのことも、ハギザから言われたことも頭に残る。そんな嫌な感じが僕を眠くさせてきていた。
ありがとう!




