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筋肉、王子と出会う
オートミール。素晴らしい。
「あの男は一体何者なんでしょう…。」
傷の手当てをする女騎士、ユリアは主人であるマルクに問いかけた。
腕の傷は包帯で応急処置はしたが、毒が完全に抜けるには時間がかかる様だ。顔色は良くはない。
「わからない。ただ、敵ではない。それに、強い。恐ろしく強い。」
マルクは薪を火に焚べる。
その瞳は伊織だけを見ているのだろうか。
盗賊団を全滅した伊織達は日の暮れた森を移動するのは危険だと判断し、ここで一晩過ごすことにしていた。
毎日快便です。