表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/7

筋肉、終わる

筋肉の始まりです

男は死地を彷徨っていた。

男の名は北村伊織。日本最強のボディビルダーだ。

極限まで鍛えた肉体は男の身体を貪っていた。


「足りない。お前の肉体では足りない…。血が、肉が欲しい…。」


男は感じていた。努力だけでは足りないかもしれない。

だが!負けるわけにはいけない!己に!なによりも自分の信じた筋肉に!!


「お兄ちゃん、お願いだからこれを食べて…お願い。何か糖分をとらなきゃ死んじゃうよ。」


女は涙を流しながら朦朧とする兄に懇願する。

その返答がどんなものか知っているからか涙は止まらない。


「ダメだ。それは口にできない、俺は負けるわけにはいかないんだ。」


男の肉体は飢えていた。糖分に。脂質に。あらゆる欲求に。


ここまでなのか…俺は…。

まだまだやりたい事がある。やりたいトレーニングが…試したいものが…

違う…。

最強の肉体を手に入れて、その先に何をしたかった?

俺は…


そうだ!誰かの役に立ちかったんだ!


何かの…どんな事でもいい。誰かの為に…幸せにしたかったんだ。

俺の好きな事で誰かを幸せにしたかったんだ。


「お兄ちゃん!?お兄ちゃん!!」


「すまない…。今までありがとう。俺が死んだらプロテインと一緒に埋葬してくれ…。」


薄れゆく意識の中で男は悲しげに見つめる妹の目を見て最後の言葉を告げた。


「お兄ちゃん?お兄ちゃん!!?何味かくらい教えてよ…わぁぁぁぁぁぁん!!!!」




北村伊織。享年25歳。


若き怪筋ここに眠る。



しかし、これは始まりに過ぎない。

彼の最初のベンチプレスが日本平均の40キロすら持てなかったように。

彼は始めるのだ。


新たな世界で。新たなトレーニングを。






キタムライオリ 25サイ


初期装備 ナシ


スキル 超回復


職業 不明


備考 


死ぬほどベストを尽くす




筋肉が終わったと思ったら始まります。超回復です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ