四季の思春期
春は
ハラハラとして
夏のように
あつくなろうか
冬のように
つめたくなろうか
迷いながら舞う
春は
もどかしくなって
強い風を呼び
激しい雨をつれてくる
自分が何であるか
何のために在るのか
知りたくて
揺れる思いのまま
投げかける
春は
よく泣く
雨の中に
ごまかしながら
声をあげて泣く
生命を呼び起こす
力があると気づかず
春に
喜ぶ地上の声が
聞こえず
定まらない心身を
憂う
緑が萌える頃
春は泣き止み
花々にそっと触れながら
ぬくもりを残して
次へと繋いでゆく