第1話 玄龍寺
ーー 玄龍寺 ーー
一般のお寺よりは広く、正門の塀の内側には梅や桃の木、見事な枝垂れ桜の木、四季折々の花が植えられ、池には玄武の石像と蓮が浮いており、一歩門を潜れば別世界へ誘われたような錯覚に陥るほどの美しい庭がある。
この美しい庭を少し歩くと、本堂ーー
「野郎共!!今日はフォーメーションDだ!ぬかるなよ!」
「おおぉーーー!!」
……の前に、とある専用セキュリティ?が居る。。。
ちなみに彼らは警備員ではなく………庭師だ。
「佐藤はどうした?」
「竹檻にかかりました!」
「バカめ!事前に紐は引くなと言っといたのに!」
「佐藤が面積が小さい布に付いた紐は引っ張りたい衝動に駆られると言っていました!」
「何の話だ!!…加藤はどうした?」
「緑ワニくん3号にやられました!」
「何!?置き位置もカラクリの仕掛けも熟知しているはずだが…!?」
「加藤がこの電流の刺激がたまんねぇ〜って言ってました!」
「何の話だ!!!!!…代わりを補充しておけ!」
「募集ですか?」
「人じゃない!カラクリの補充だ!いや、もういい!
仕事始めろ!」
「応!!」
「伊藤が根輪につまづいて捻挫しましたー!」
「いい加減にしろ!!」
…このセキュリティ?を抜けると、目の前に本堂があり、屋根の主棟には飾り瓦の龍が下を見下ろしている。
本堂の右後ろに僧侶達の居住用建物、左後ろに修行場、裏に倉があり、この四方の廊下に囲まれた中庭は風水を取り入れた枯山水と、趣のある中庭となっている。
時間帯によって木魚と鐘と読経ーー
ポクポクボグゥッ!ボボクボボボボボボボボ
チーンヂィーンヂィィーンヂィィィンヂィィィィィン
「くぅおぉぉらあぁぁぁ!真面目に集中せんかいぃぃぃ!!」
……木魚・鐘の無双と怒号が鳴り響く…。
「だいたいお前は…
「有難うございましたー!」
「まだ終わっとらんし始まってもおらん…ってコラー!
逃げるなー!」
ドッタッドッタッドタドタドダダダダ
「あっ!庭師長!!始まりました!ヤツが来ます!!」
「!野郎共!!裏庭に追い込め!正門に行かせるな!」
「応!!!」
ドドドドドドドドドドドド
「げぇ!?とんでも集団!うぉあっ、危ねっ、ぅおっ!
痺れ矢!?」
「おい、あれを出せ!幼少期黒歴史日記!!」
「ぅおぃ!ヤメロ!!何でそんなの持ってるんだ!」
「○月○日晴れ
たいよう(太陽)がオレをしゅくふく(祝福)するように
…は…れ?わ?たって(晴れ渡って)いる
…ある意味で頭が祝福をうけてるよなw ボソッ
今日はれいのばしゃ…ばしょだろ ボソッ (今日は例の場所)に
行けとオレのカンがゆっている(言っている)
「やめてやれよー!幼い頃のオレが可哀想だろうがー!
今のオレも可哀想だろがー!秘密の冒険の書なんだぞー!秘密なんだぞー!返せ!!」
「おっと」
「吹き矢!?何このトンデモ集団!ホントにとんでもないんですけど!!あっ!待て!返せー!」
「…よし、裏庭に誘導できたな ボソッ」
…裏庭には紅葉の木があり、秋の紅葉で美しい裏庭へと変わる。………トラップだらけだが。
「いい加減返せ…うわぁぁぁ!!睡眠弾んんん!?」
ズダダダダッと花だと思っていたエアガンから柔らかい睡眠効果のある種もどきが飛んでくる。
カチッ
「ん!?」
ガッコン ボコォッ
「うわっ…ひっ」
突然巨大な穴が現れ、底にはトリモチとジェルが混ざったようななにかが揺れていた。
シュン
「おっと!」
網罠を躱し、獣罠を躱し、檻を躱す。
「くそっ、チョロマカと猿めっ」
「誰が猿か!」
「あっ!」
「コレは返して貰うぜ!てか二度と持ち出すな!!!
あ〜ばよぉ〜とぉっつぁ〜んがたぁ〜」
…………トラップを突破して裏庭の更に奥へと進むと、地蔵菩薩と檀家さんのお墓がある。
……………………。……この地蔵菩薩にはある仕掛け…………この墓地にも枝垂れ桜と桃の花が植えられ、春には美しい墓地となる。
そんな美しい玄龍寺にも跡取り息子は居るのだが、早い時期にある病にかかり、中学で拗らせてしまって以来、未だに回復の兆しが見れないでいた。
「ふぅ、、、今日も危なかったが、、、まぉ、オレは神から祝福を受けし男だからな…フッ。 俺ももう16だ。異世界に招ばれるのも近いだろう。また新しい新技考案しておくか。あっ、繊月斬とか!切り口が細くすぐ塞がるから出血はしないけど、内出血はし続けるとか!?でもこれじゃ暗部向けだな。でもオールマイティー目指すならアリだな!そしたらフォームはこうでブツブツ」
そのせいか、今日も元気に、瞑想に励んでいるのであった。
「……こんなところで何してるんですか?」
「!!…今すぐ戻りまーす…すいませんでしたー」
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初めての小説作りなので、ちょこちょこ編集し直してしまいますが、ご容赦下さい。
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