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祭事

西部の慰問から帰ってきて、久しぶりに学園に顔を出したらロニー・アルテレサとロランス・カンデラがイチャコラしてた。

「……っ!? ……っ!? ……っ!?」

「あぁー、なんかそういうことらしいわよ」

はぁー、そういうことだったのか。びっくりした。まぁ、いいけど。幸せになるならなんでもいい。幸せバーリトゥードだ。

ちなみにバーリトゥードはポルトガル語で「なんでもあり」という意味です。


学園でマリオンにワインの発注をしたり、図書室でエルザと美少女と一緒に自習したり……そうだよ、美少女だよ! リシャールに毒されてしまった体を美少女分で満たさなければならない!

とりあえず美少女のほっぺたをつんつんしたら「もいもい」って言ってた。方言か?


アメリーお義姉様のお腹はかなり目立つ。多分、そろそろなのだろう。とても楽しみだ。

木々の葉っぱが初夏の濃い緑になっているころ、ロニーとロランスが私達のところにやってきた。

「今、よろしいですか?」

「はぁい、大丈夫ですよ」

深刻そうな顔ではないから、多分、なにかあったわけじゃないだろう。「ロランスが妊娠したから堕胎費用を寄付してくれげへへ」とか言われたらドン引きだ。いや、ロニーはそんな人じゃないけど。

「ジェルメーヌ様とナタリー様と……うーん、エルザ様にも、恐らくお声をかけた方がいいと思いまして」

「私はおまけー?」

エルザが不満そうにいうが、ロニーにとっちゃロランス以外全部おまけでしょうよ。あとナタリーって誰だっけ? ……あぁ、美少女か。

「あまり知られてはいないことなのですが、我がアルテレサ伯爵領の北……王国の最北部にソウ辺境自治区という場所があります」

あったか、そんな場所?

少なくとも原作ゲーム、王冠の野望には登場していなかった。いや、待てよ……

「獣人の国……」

「あぁ、ご存知でしたか」

私の呟きにロニーが微笑む。

私も詳しく知っているわけじゃない。ただ設定資料集の中に獣人の国が北の方にあるということが一行だけ書いてあった記憶があったのだ。ソウ辺境自治区なんて名前ははじめて聞いた。

獣人のことも特に詳しく書いてあるわけじゃなくて、「そういうものがいる」くらいの表記だった気がする。

亜人とは別の書かれ方だったので、まったく別物なのだろうという想像はできるけど……

国というくらいだからある程度の文化レベルなのだろう。アルテレサ伯爵家との交流があるということなら私達とほぼ変わらないレベルと思っていいはずだ。

「アルテレサ伯爵家では、かの地の獣人達と昔から交流をしていて、毎年の祭りに参加していたのです。今年の祭りがそろそろなのですが、もしよければジェルメーヌ様とナタリー様、それにエルザ様にもご参加いただけないかと」

ふむ……お祭りというのも興味はあるけど、辺境仲良しクラブの絆をアピールすることもできるだろうし、シクス侯爵家の分家とはいえ出身のエルザがいることでシクス侯爵家との同盟関係もアピールできるだろう。

あとナタリーって誰だっけ。

獣人というのがなんなのか、その辺りはよくわからないのだけど、特に悪いことではなさそうな気がする。

「あら、お招きいただけるのならぜひ参加したいわ」

「私も、もしよろしければなんですけど……あと、父に許可を取ってからですけど……」

……ははーん。さては君ら躊躇ないな?

私がいろいろ考えてる横でエルザと美少女が参加表明してた。

「あの……私はジェルメーヌ様にお医者様を紹介していただいたご恩がありますので、無理にとは言いませんが、できればご一緒に……旅行感覚で結構ですので」

ロランスが声をかけてくる。

生まれてからずっと、わざと不自由な発音をしていたのだろうから喋り方に癖が残ってはいるが、十分に聞き取れる普通の発音だ。よかったねぇ……

でも、そうだなぁ。友達との旅行感覚というのは悪くない。

「じゃあもしよければご一緒させていただこうかしら」


そして夜は恋バナをするのだ!

この話の舞台になっているのはイタリアによく似た地形の架空の地域です。

男性登場人物のほとんどにはモデルとなっている人物がおり、「そのモデルとなっている人物の所属している、または所属していたチーム」の本拠地が、その登場人物の勢力範囲となります。


モデルとなっているのはあくまで外見と地域だけであり、その人物の能力や適正、チームの規模や本拠地の規模などはまったく関係ないものとします。


☆今回の登場人物のモデル

ジェルメーヌ・ペドレッティ:ヒト科

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― 新着の感想 ―
[一言] お姫様は本当にナタリーの名前覚えないな! にっこり様のエピソードがなければ(お姫様にとって)未知の部族の祭事と聞けば生贄に選ばれるのかと疑うのだけれども
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