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方針

クリスティアン・ペドレッティ。

統率力69、武力54、政治力71、知力62、魔力14……

そこそこまとまった能力値とはいえ、一流どころからは程遠い。

パスカル・シクス、ティボー・ガスティンの主人公2人だけでなく、ロッド・サヴィダン、サンディ・アンツ、ジョエル・メンディなどにもその能力値は遠く及ばない。


それでも、このお父様こそがペドレッティ伯爵家の柱だった。




ゲームでは5年後の王国暦406年からはじまるシナリオ2でお父様が死亡し、ベルナールお兄様が跡を継いでいるところからゲーム開始となっている。

長兄のユーリお兄様ではなく、次兄のベルナールお兄様が跡を継ぐのである。

まぁ、ユーリお兄様は「自分には才能がないから」といって、ベルナールお兄様を推薦し、自分は補佐を務めることになるようなのだが。

その後、ガスティン侯爵家と戦争になり、ペドレッティ伯爵家は滅亡。2人のお兄様は斬首され、411年のシナリオ3では影も形もなくなっている。


お父様の死から伯爵家のすべてが崩れ落ちているのだ。


その死因は……設定資料集に書いてあった。疫病、である。


「お前が帰ってきて助かった。なにせ執務の役に立たん者がいるからな」

お父様がベルナールお兄様に話しかけている。

ベルナールお兄様も執務の役には立たないと思うなぁ……

「そうはいっても父上」

苦笑しながらユーリお兄様が口を開く。

「無能者が働き者になるよりははるかにいいでしょう」

あっ、ユーリお兄様、なんか好き。なんか……なんていっていいのかわかんないけど好き。

「執務は兄上以上に俺も役に立ちませんよ、父上。それよりも……」

ベルナールお兄様が私の方に手を置いた。

「俺はジェルメーヌを推薦したいと思っています。俺は王都脱出以降、こいつにかなり助けられました。ジェルメーヌは俺が思っていたよりはるかに乱世向きの人間でしたよ……王がとち狂って、これからどうなるかわからない以上、こいつは我が伯爵家が生き残るのに必要な人間だと、そう思えました」

ベルナールお兄様のつっかえつっかえながら、力強い言葉にお父様とユーリお兄様の視線が私に集中する。シャルルもこっちを見ているが穏やかな表情だ。

「そうなのか、ジェルメーヌ? そういえば王都から脱出する検問所でベルナールをぼっこぼこにしたそうだな……」

ぼっこぼこにはしてませんーっ!? ビンタ一発だけですーっ!?

フレデリックからの報告か……あいつ、話を盛ったな。

「ユーリ、ジェルメーヌを将として扱うことをどう思う?」

「うーん……」

父上からの質問にユーリお兄様は考える顔つきになる。

「反対か賛成かのどちらかで絶対に答えろと言われたら、どっちかといえば反対になりますね。俺は妹には危険な目にあってほしくないし、花として愛でたいと思ってますから。でも時勢はそれを許してくれそうにないんでしょう? だったら俺の回答は『どちらでも全力を尽くす』です。父上が妹を将としないのなら俺は彼女を愛でて暮らすでしょう。父上が妹を将とするならば俺は彼女をできる限り守りましょう」

ユーリお兄様らしい答えだと思う。

どっちつかずだが、お兄様自身のスタンスはよくわかる……この人は、家族が大好きなんだな。それはそれで、とても素敵な人だと思う。

「シャルル、お前はどう思う」

「はい」

お父様が心から信頼する家宰は穏やかに口を開く。

「ジェルメーヌ様は生まれ育ったこの館にお帰りになられてから、ずっと館の中を観察しておられたように見受けられました。生まれ育った館であるにも関わらず、でございます。戦の指揮はベルナール様がとられるとしても、ご自分であればどこをどう守るべきか、考えていらっしゃるようなお顔でございました」

いや、そうじゃなくて。転生したばかりなので館の中が珍しくてきょろきょろしていただけです。っていうか、シャルルってよく私がきょろきょろしてることに気づいたなぁ。

「私は一介の家宰にすぎませんので、戦のことはわかりません。ですが才能がある方であれば取り立てるのが当然と思います」

お父様はシャルルの言葉を聞いて、少し考えてから頷いた。

「ジェルメーヌよ、国王がこのような凶行に及ぶ以上、我らは王に反旗を翻すつもりだ。そのためにまずなにをすべきと思う」

お父様は私を見つめてくる。暖かい目だ。

私は……口を開く。


「我が伯爵領は国王直轄領からは地理的にも離れており、すぐに攻められることはありません。ゆえに準備期間を設けることができます」

私はお父様の目を見て言った。

「だから……まず行うべきは、衛生と医療の強化です」




つまり、露骨にお父様に生き残ってもらうための方策を取るつもりだ。

この話の舞台になっているのはイタリアによく似た地形の架空の地域です。

男性登場人物のほとんどにはモデルとなっている人物がおり、「そのモデルとなっている人物の所属している、または所属していたチーム」の本拠地が、その登場人物の勢力範囲となります。


モデルとなっているのはあくまで外見と地域だけであり、その人物の能力や適正、チームの規模や本拠地の規模などはまったく関係ないものとします。


☆今回の登場人物のモデル

ジェルメーヌ・ペドレッティ:ヒト科

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