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同盟

辺境仲良しクラブでいろいろ話し合いができた。

やっぱりこういう味方って重要だと思う。


ペドレッティ家で作る学園について、ペラン家とアルテレサ家でも手伝ってもらえることになった。経費とか、人材とかそういう面で。

ペラン家領でもアルテレサ家領でも、私設の学校のようなものを作って子供たちに教えている人物がいるらしいので、そういった人を招聘させてくれるらしい。


というわけで三家の領内の人間は原則学費無料とする。

これはみんなから驚かれたが、庶民にこそ教育することで伸び代が大きいことを説明して納得してもらえた。

領民が商売や農業など、各分野を学ぶことによって収益や収穫が大きくなるのはやっぱり大きいからね。

もちろん貴族が領地経営を学ぶことも大事なので、そこも疎かにしてはいけないのだが。

学園は原則として三家の寄附金と、三家以外から入学してくる生徒の学費によって賄われるものとする、としておいた。だからシクス家の方々にはぜひ大量に入学願いたい。


それから、これは戦乱が治ってからになりそうだが、三家の領地に流れるマルセル川の治水事業も行なっていくことで合意。

ペドレッティ家だけでなく、それぞれ水の被害を受けているらしい。

ついでにオリーブオイル製の石鹸を作ることも教えておいた。これは今年の秋にシュヴァリエの人々がオリーブ収穫したあとが楽しみである。


そして、軍事について……

ガスティン家が今後動くであろう、辺境仲良しクラブへの攻撃予測を話すと、お父様もアルテレサ伯爵もペラン子爵も揃って難しい顔をした。

お父様にとってはペドレッティ家領がただの通路として使われる可能性があるということだし、アルテレサ、ペランの両家にとっては港を所有している段階で他人事ではない。

「カンデラ将軍を引き抜かれてしまった今、正直に言って当家にはそこまで大きな余剰兵力はないというところだ。山脈からやってくる亜人を警戒する兵力も必要ですしな」

アルテレサ伯爵が非常に申し訳なさそうな顔をする。

「もちろんできる限りの軍は出させてもらうが……800、といったところだろうか」

厳しい現実ーっ! ……というリアクションを用意していたけど思ってたより兵力があった。むしろありがたいです。

「当家もそうですね。やはり500が精一杯というところでしょう」

ペラン子爵も申し訳なさそうな顔をしているが、上等である。

ペドレッティ伯爵家の守備兵のうち戦場で動員できるのが300、民兵として動員できるのが700、合計で1000……

「お父様、シュヴァリエのピルムスはどの程度雇われてくれるでしょうか」

「……うーん、200といったところではないかなぁ」

合計2500人といったところか。

ガスティン家は、アジャクのジェルミ教団警戒、シクス侯爵家警戒、北部の亜人の侵攻警戒して……対辺境仲良しクラブに割ける動員数は5000というところだろうか。


2500対5000だったら絶望的というほどでもない。

北方水滸伝読んだからわかる。むしろ余裕のある戦力差だ。よゆーよゆー。




話し合いも終わってそれぞれの領地に帰ることになった。

うーん、なかなか実りのある会談でした。

「今度、アルテレサ伯爵領にもおいでください」

ロニー君にナンパもされた。同格の伯爵で年齢もそこまで離れてないし、今後次第だけどロニー君との縁談もくるかもしれんなぁ、とか思った。わからんけどね。

縁談で思い出したけど、そういえばユーリお兄様もベルナールお兄様もまだ結婚してないんだよなぁ。

ユーリお兄様は芸術に生きるとかなんとかいってるけど……


「おっ」

ふと顔を上げる。帰りの馬車の中なので「なにやってんだこいつ」みたいな顔をしてくる人はいない。お父様はいるけど、ほら、お父様は優しいから……

前髪のあたりがちりっとした。何度か経験したが、これは遠話の魔法がくる直前の現象だ。

誰かからの定時連絡かな?

「聞こえるー?」

あぁ、ユーリお兄様だ。こちらからの声は届かないので向こうからの声を待つ。

「なんかさー」

はいはい、なんですか?

「なんか、結婚することになったわ」




なにて? なに?

この話の舞台になっているのはイタリアによく似た地形の架空の地域です。

男性登場人物のほとんどにはモデルとなっている人物がおり、「そのモデルとなっている人物の所属している、または所属していたチーム」の本拠地が、その登場人物の勢力範囲となります。


モデルとなっているのはあくまで外見と地域だけであり、その人物の能力や適正、チームの規模や本拠地の規模などはまったく関係ないものとします。


☆今回の登場人物のモデル

ジェルメーヌ・ペドレッティ:ヒト科

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