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狂気

王冠の野望。


一言でいえば剣と魔法の架空世界を舞台にした戦略シミュレーションゲームだ。

400年前にこの国を襲った邪悪なドラゴンを王冠に封印した英雄の子孫が今の王家になる。

時間の経過により封印が弱まり、邪悪なドラゴンが、聡明な国王であったヴァンヌッチ陛下の精神を支配下に置き、この国の全土を戦乱に巻き込む……というストーリーだった。


一応ゲームとして主人公格である、武門の名家シクス侯爵家のパスカル・シクスと代々文官を輩出したガスティン侯爵家のティボー・ガスティンが核となっているのだが、私のお気に入りはペドレッティ伯爵家だった。


このペドレッティ伯爵家は父のクリスティアン・ペドレッティと、その2人の息子しか武将がおらず、領土はこの国の最北。領土の北側のスタッド山脈からは亜人たちが攻め込んできて略奪するとかいうイベントがたまに起きる。

南側に隣接しているのは主人公のガスティン侯爵家で、機嫌を損なえば主人公的数の暴力で滅ぼされちゃう危うい勢力である。現にシナリオ3では……いや、それは今は考えないでおこう。


しかしそんな数多くのデメリットがあってもなお、私がこの伯爵家が好きだったのには理由がある。


ベルナール・ペドレッティ。

今、私の目の前にいる兄こそがその理由だった。


ゲームにはそれぞれの武将の能力値が定められていて、イベントによって成長したりすることはあるがそこまで伸びは大きくない。

武門の名家を統率するパスカル・シクスは統率力92、武力98という脳筋。

しかしそれを超える武力の武将がこの国に2人いるのだ。

1人が国王の親衛隊長ギー・ドゥトゥルエル、武力99。

もう1人が兄、ベルナール・ペドレッティ……統率力95、武力100。

なお、知力はぼちぼち。政治力は壊滅的。そのあたりはもう1人の兄がカバー……あっ、あんまりカバーできなかった気がする。まぁ、それは置いておこう。

私はこの王冠の野望というゲームを、この一芸に特化した武将、ベルナールを使いたいがためにプレイしていたのだ。




ここで私は首を捻った。


ペドレッティ伯爵家には父、クリスティアン・ペドレッティとベルナール、そしてもう1人の兄が武将として登録されている。

……私はゲームに登場しない?


このゲームでは女性も武将登録されている。

ガスティン侯爵家のティボー・ガスティンの妹は戦乙女とか言われて戦場に出てるそこそこ武力の高い子だったし、全部の能力値が20以下の「この子どうやって使うのー?」みたいな子も登場している。

んー? んっんー?


まぁ、疑問はとりあえず置いておこう。

このゲームのシナリオ1は王国暦401年からはじまる。


ある舞踏会の夜、国王は王軍を動かして舞踏会の参加者たちを惨殺。

そこから生き残ったり、逃げ延びたりしたものが国王に反旗を翻す、という内容。


舞踏会ね、ふーん、なるほどなるほど。




今かよ!?


え、今、開催されてるこれが舞踏会だよね!?

え、なに? ちょっと待って!


うん、そういえば確かにこの内容はゲームのオープニングムービーで語られてたわ。

そんで国王の妹のルイーズちゃんは、「そんなひどいことをしないでください!」って言ったら王城の塔の監獄に監禁されたとかだったはず。

あっ、なるほどね。それで今、この場にルイーズちゃんがいないのね。

なるほどなー。


ルイーズちゃん、もうちょっと頑張って国王止めて! お願いだから!


今、国王と談笑しているのがティボーとパスカルの父親の2人の侯爵。

あの2人は国王に惨殺されて、今、それぞれの領土にいる主人公2人はぶち切れるという流れだ。

ここが死地なんだな……いや、待てよ?


そう、兄ベルナールは生き延びているぞ。


なにせ武将として登場しているのだ。どうにかして王城から逃げ延びて領土まで帰り着いたのだろう。

兄と一緒に行動すれば私も生き延びることが……


「あっ、思い出した」

思わず口に出た。

「うん、そうだな」

ベルナールお兄様が適当に相槌を打った。いや、さすがに適当すぎるだろう、お兄様よ。


ジェルメーヌ・ペドレッティは武将としては登場しない。

しかしゲームの設定資料集に名前が登場していた。




ベルナールとジェルメーヌの兄妹は王都からの脱出の際、はぐれてしまい、ジェルメーヌは国王に捕縛された。

狂気の国王はジェルメーヌを下級兵士達に犯させたのち斬首。

ジェルメーヌを守れなかったことにベルナールは血の涙を流し、国王への復讐を誓うことになった。


「あーるじゅうはち展開っ」

思わず口に出た。

「うん、わかる」

ベルナールお兄様が適当に相槌を打った。このお兄様、本当に大丈夫? ほんとに? ほんと?

っていうか、血の涙流しそうにないような茫洋とした人だなぁ。




とりあえず死にたくないと思いました。

いや、犯されたくもないけど。

課長が身代わりになってくれる展開はないかなぁ。

この話の舞台になっているのはイタリアによく似た地形の架空の地域です。

男性登場人物のほとんどにはモデルとなっている人物がおり、「そのモデルとなっている人物の所属している、または所属していたチーム」の本拠地が、その登場人物の勢力範囲となります。


モデルとなっているのはあくまで外見と地域だけであり、その人物の能力や適正、チームの規模や本拠地の規模などはまったく関係ないものとします。


☆今回の登場人物のモデル

ジェルメーヌ・ペドレッティ:ヒト科

パスカル・シクス:ジャンパオロ・パッツィーニ

ティボー・ガスティン:クラウディオ・マルキージオ

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