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サバイバルナイフ

高架下で見つけたサバイバルナイフ


ズタボロな学生服に忍ばせた


それを見ていた少女が嫌味っぽく笑った


僕は反射的に走って逃げた


ファストフード店に入って適当に座った


ショルダーバッグのファスナー開けたら


無造作に入れたノートが目に入って


騒音が止まる


「死ね」「消えろ」「屑が」「邪魔」「変態」


トイレに駆け込んで何度もゲロした


そういや奥に弁当を仕舞ったな


その中には砂が詰め込まれたんだっけ


はやく捨てて帰らないと


溢れる涙が苦くて


なんでこんなんでも生きないといけないのかって


全部嫌になって


徐に抜き出したサバイバルナイフ


僕を助けるヒーローに見えた


これを右手首に当てたらいいんだ


でも店がきっと迷惑がるな


じゃあさっさと死に場所を探そう


虚ろに街を彷徨ってたら


路上ライブしてる男がいた


いらいらするくらいに下手な歌で


いらいらするくらいに明るい歌だった


ぼくもああなりたいんだよな


それはだれにいえばいいのかな


うたいたいんだ


だからじゃまされたくないんだ


気がついたら遥か遠くに来てた


気がついたら懐かしい家に着いた


そこは間違いなくあいつの家だ


幸せに満ちたあいつの家だ


恨めしくて 腹が立って 気持ち悪くなって


取り出したのは


血に飢えたサバイバルナイフ


あ、そうか これか これだ だけど


僕は握りしめて気づく


これをどうしたらいいのかと悩む


そこにまた少女が現れた


そして一言呟いた


「ナイフに意志はない 振りかざすも捨てるも決めるのは君だよ」


僕は少し悩んだ


気がついたら


路上で歌を歌っていた

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