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道ばた魔法使いの放浪生活  作者: しろいさくら
オオカミとひつじと私
7/21

オオカミとひつじと私@7

 とうとうこの時がやってきた。


 私のレベルは27、魔法スキルのランクは全て5になっている。

 ひたすらオオカミを倒した成果だ。


「わたしもだいぶ強くなったと思う…… 今こそあのオオカミにリベンジだ!!」


 この時のために貯めたお金は全て露天売りのマナポーションに変えた。

 ライフポーションの5倍以上の値段が付いているポーション。さすがに手を出そうか迷ったけれど、あいつを倒すため。背に腹はかえられぬ!


「装備品も修理したし、ご飯も一杯持った!あとはあのクソ……オオカミを倒すだけね!!」


 いつもの木の下から私はダンジョンへ向かう。

 今回は負けない。

 必ず羊の平和を守るんだ!!



 (*全てロールプレイです*)




 ダンジョンに入り、第一層第二層と進んでいく。

 前回に比べて、敵の処理速度が格段に上がっていて、ほとんどの敵がアイスアロー一発で落ちる。

 これはあのでかいオオカミも楽に倒せるかも知れない。


「オオカミ殺しの異名とかつきそう」


 そうこうしている間に第三層をクリア。大きな扉の前まですんなりたどり着いた。


「さて……いきますか」


 私はゆっくりと扉に手をかけ、奥へと進む。

 そこにはあの巨大なオオカミが私を(たぶん)待っていた。


「今日の私は一味違うわ。受けてみなさい!!!」


 あの巨大なオオカミにはアイスアローでダウンは取れない。ならば強制ダウン効果のあるファイアアローで先手をとって、ライトニングアローでダメージを狙う!


「ファイアアロー!!」


 私は続けて六回チャージ。いま私が保持できる最大数をもって巨大なオオカミに突撃する。


 オオカミもそれに気づき、私の方へ走り出す。

 巨大な体の割に素早い動き。けれど今回は私に触れさせない!


「いっけぇぇぇええ!!!」


 ファイアアローを全弾発射。

 回避スキルがないとよけられない魔法攻撃を正面から巨大なオオカミは受ける。

 

 「よし!当てた!!」(魔法スキルは誘導効果があるので100%当たります)


 小さな爆発が六回起こり、オオカミはその衝撃で大きく吹っ飛ばされる。

 私は強制ダウンしている最中にライトニングアローを素早く詠唱。追撃の一発を加える。


「これでどう!?私の必殺コンボ!」


 爆風と煙が消える。

 オオカミは少しよろけならがも立ち上がり、首を大きく振る。


「倒せていない。まあこんな簡単にはやられないか」


 それでもオオカミのライフゲージは半分。もう一回できれば倒せるのだけど――


「……来る!」


 ファイアアローを詠唱。

 あのオオカミの素早さではファイアアローは二発分しか詠唱できない。

 まだマナには余裕はあるしポーションも余分は残っている。


「持久戦覚悟でファイアアロー単発からのライトニングで行く!」


 オオカミの前足が迫る。

 私はギリギリのところでファイアアローで応戦し、強制ダウンを取る。

 オオカミが吹っ飛んでいる最中にライトニングアローを詠唱。即時放つ。


 同じ攻撃方法だけれど、マナの消費の割にダメージが出ない。ファイアアローの六チャージ以降の追加効果が無いのが効いている。


「けど、これなら……!!!」


 爆発から来る煙の中、想像よりも早くオオカミが起き上がり、私の目の前まで迫っていた。

 どうしてかわからず、回避行動も取れるまま、オオカミの一撃を直に受けてしまう。


「うにゃあぁぁぁああぁ……」


 なぜか分からない。

 まったく同じようにしたのに。


「回避スキルかなにか?」


 魔法使いで貧弱な私にあの一撃はかなり効く。

 クラっとしながらもすぐに立ち上がり、オオカミを見たのだけど、もう目の前に……


「うそーん……」


 オオカミの前足を二連続で受けてしまう。

 もう一撃もらったら私は終わりだ。


 マナポーションしか頭になかったので、ライフポーションは一切持ち合わせてない。


 終わった。


 私は最後に悪あがきでアイスアローを詠唱。

 オオカミの顔に一発放つ。


「いまここで私がやられたとしても……第二第三の私が……」


 アイスアローを受けたが、当然ダウンしない。

 それでも単発でひたすら打ち続けた。

 もう私にはそれしか残っていないから。


「もう少しレベル上げるべきだったかな」


 オオカミはもうすぐそこ。

 それでも私はポーション片手に打ち続ける。


「やらせはせぬ……やらせは……」


 もうこれはまさに死亡フラグですわ。

 兄とみたあのアニメの死んだ人と同じこと口走ってしまったわ……



 最後のポーションに手をかけたとき、オオカミの鋭い目が私の目と合った。

 これで終わりか。


 大きく振りかぶった前足が私におそいかかった。








プレイヤー名『ハヤミ』

レベル   『27』

所持品   『木の棒196本 初心者の服・ズボン・靴 マナポーション10 26コ マナポーション30 20コ スタミナポーション20 49コ いちご295コ  釣り竿 釣り餌ベニマス四匹 ウグイ六匹 謎の肉98コ』

所持金   『23G』」


所有スキル 生活『植物採取L1 植物知識L1 釣りL1』

      魔法『アイスアローL5 ファイアアローL5 ライトニングアローL5』

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