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第一章 テストダンジョン

――し……し、もっしもーし!


「ん……んあっ?」


 なんだここは……俺は気絶してたのか?

 確か俺は戦闘中で斬りかかったところ、相手が取り出した石からまばゆい光が放たれて――


「あ、生きてた」

「うぉいっ!? いつからそこに!?」


 いきなりすげぇ近くに人が居てびっくりした。しかも何気に美女。


「えーと、君が気付くちょびっと前」

「ここはどこ?」


「あたしの部屋だよ」

「部屋!? 広すぎだろ……」


 辺り一面が真っ白な部屋で、四方を確認してもなんでか知らないが、部屋の扉も見当たらない。


 ん? あれはお姫様ベッドと呼ばれる物か?

 その横にお菓子類がたんまりと積まれているのが見えるな。後は何もなし。

 おい、物が少ないってレベルじゃねぇぞ!


「帰り方はどうしたらいいんだ?」

「では問題です!」


 唐突になにを……しかも、問題に問題ぶつけてきやがったよ!


「早押しでお答えください」


 押すもんねぇよ!

 つーか答えをくれよ答えを!!


「君の名は?」

「……ジオスだ」


「髪の色は?」

「茶色」


「目の色は?」

「青色」


「年齢は?」

「十八」


「クラスは?」

「勇者」


「彼女は?」

「いない――っておいこら! 何どさくさに紛れて聞いてんだよ!」

「ふふふ、面白いね君!」


 要らねぇこと聞きやがって、つい誘導に乗っかっちまった。


「意識ははっきりしているから、どうやら頭を打ったわけではないみたいね」

「そうか。それであんたは?」


「あたし? 暇を持て余したカンナちゃんだよ!」


 そりゃこんな何もなさそうなところに居たら暇だろうよ。

 それより自分のことをちゃん付けって……残念美女なのか?


「そういえば勇者って言ってたけど、具体的に何するの?」

「何って……各地の魔物を倒す冒険者で、街が危ないときはすぐに駆けつけれるようにこの道具で――」


 そこまで言って気付いた。ポケットにいつも持ち歩いてる物がない!

 袋に入れていた他の道具類と剣もない……つーか手ぶらじゃん俺!


「ここに剣や石みたいな道具が落ちてなかったか!?」

「さぁ? ジオスちゃんだけ落ちてたよ?」

「人を物みたいに言うな!」


 場所は分からないわ、物はなくなるわ、変な女は居るわで……これって最悪じゃん。


「まぁまぁ、ゆっくりしていってね!」

「してる場合か! それにここは暇すぎるだろ!?」


 なんつーか雲のように掴めない女だ。


「んで、ここカンナの部屋なんだろ? ずっと何してんだよ?」

「んー監視?」


「……何を?」

「すべてかな」


 は? 監視ってなんかこの女やべぇ奴じゃん。


「言ってる意味が分からない」

「部屋全体を見るだけよ?」


「その部屋ってここじゃん」

「うん、そうあたしが創った部屋」


 つくった? 部屋を? 今のは聞き間違いか?


「この部屋広すぎるんだが、どこまで続いてんの?」

「全部繋がってるからどこまでも」


「え? ここに出入りする扉は?」

「ないよ。部屋というか世界とも言う」


 それ部屋じゃねぇよ!

 むしろ世界としか言わねえぇぇぇ!!


「何!? 何なのお前は……」

「だからカンナちゃんだってば」


「名前じゃねぇよ! 世界創ったって神様の類いじゃねぇか!」

「じゃあそれでいこう」


「じゃあじゃねぇよ。なりたくてもなれない憧れの象徴のようなもんだぞ?」


「あたし女だから女神ね」

「話を聞けえぇぇぇ!!!」


 もういやなんなのこの人……あ、人じゃねぇ駄女神だ。

 神様って、こうもっと敬える立場の存在じゃないの?

 頼れるのはこの駄女神だけなのにどうやって帰るの? マジで。


「ねぇねぇ、暇なら未踏破ダンジョンを攻略してみない?」

「暇じゃねぇよ! しかも未踏破って誰も制覇してないのか?」


「うん、今造った」

「行かす気満々じゃねぇか!!」


 既に迷ってる俺に、更に迷わす気ですかそーですか。


「まぁまぁ、タダとは言わないよ!」

「タダより怖いものはないんだぞ」


「えへ、バレた?」

「せめて隠せえぇぇぇ!!」


 あ、これダンジョン潜ったら帰ってこれないやつだ。


「ジオスちゃんがここに来た原因は分からないけど、少なくともあたしが管理してる住人ではないかも」

「!! ずいぶん遠くに飛ばされてたんだな……」


「だからね、あたしが元の場所へ帰してあげられるか調べてあげる」


 おや? 駄女神と思っていたが、今なんと?


「その代わり! あたしの楽しみ――げふんげふん、ダンジョンが正常に機能するかテストさせてほしいの」

「おい、半分本音が聞こえてんぞ」


 しかし、悪くない話だ。俺がダンジョンに潜っている間、カンナが元の場所へ帰る方法を調べてくれる。

 この世界の創造主がそう言うなら、他に人を見つけて尋ねるよりよっぽど手っ取り早いはずだ。


 まったく、結局こいつの思い通りに事が運ぶのか。なんかイヤだな。


「で、どうかな!?」

「ちっ……やってやるよ」


「はいドーン!」

「ぬあっ!?」


 了承してからわずか二秒、俺は突然できた目の前の空間へ突き飛ばされ押し込まれていた。


「テメェ後で覚えておけよ!」

「ジオスちゃんでしょ? 覚えてる」


「意味が違うだろクソッタレェェェ!!」

「じゃあね〜」


 こんな調子で半ば強制的にダンジョンへ放り込まれたが、あいつのこと信じて大丈夫だよな?


 くっそなんで俺がこんな目に……えぇいヤケクソだ! うだうだ考えても仕方ねぇ、ダンジョンでもなんでもやってやろうじゃんよ!!

 苦手という方にざっくりと説明を。

 この小説もどきはステータス画面が直々出てきたり、漢数字をわざと使ってないところが多々あります。


 何も気にしない結果、メタい(?)方向によく話逸れちゃいますが、気軽にお付き合いください!


 ブクマ、感想貰えるとネタにもげふんげふん喜びます!


カンナ「次から本気出す!」

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