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世界は僕らの邪魔できない  作者: 九十九疾風
第1章 転生と異能とそれぞれの過去と
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第一章 五話 朱咲の異能

投稿遅れてすみません。

説明回?なのかな?ま、気楽にどうぞ。

「それでは今から魔法の種類について説明する」


転生した次の日、僕はアーカイヴさんに魔法を、朱咲はお母さんに武術を教わっていた。第一印象は『変人』だったアーカイヴさんも、魔法を教えてくれている時の姿はどこか、すべてを極めた師匠の雰囲気を漂わせていた。


「まずは基本の元素魔法から教える。と、その前に魔力マクロについて教えなきゃな。まず最初に当たり前の知識から。魔力は自然界に無限にある訳じゃない。それに自然生成されるのは夜の間だけだ」


「それじゃあ、魔力は戦いが始まればすぐに枯渇してしまいませんか?」


「普通に考えればそうだが、実際そうはなりづらい」


「それは、どういうことですか?」


「この世界にある生き物の体の中には魔力が流れている。それは液体でも気体でもなく、水色の粒子の形をしている。それは例外を除いて傷口からあふれでる。もし生き物が死ねば、その体は全て魔力となって消える」


水色の粒子…何だろう。すごく見憶えが。それもめちゃくちゃ最近に。


「どうした?ぼーっとして」


「あ、す、すみません。続けてください」


「そんで、魔法を打つときにはその魔力が必要不可欠な訳だ。何が言いたいか、わかるな?」


「えーとつまり、魔力の枯渇に注意しながら魔法で相手を倒さなければならない。ということですか?」


「その通りだ。相手が同じ魔導師の場合は、なるべく相手に魔法を使わせないように立ち回ることも考えなければならない。とまあ雑学はこのくらいにして、今から魔法の種類を教える。」


「え、今の雑学だったんですか?」


「いや、注意事項も言った」


「そ、そうですか」


「っと話が脱線した。魔法の種類は大きく分けて三つだ。それは十二大元素魔法と十大特殊魔法と宇宙魔法だ。ま、三つ目はあってねぇようなもんだがな。いや、もう一つあったかな。それはどのみち使えないから関係ない。忘れてくれ。あとの二つは大事な魔法だ。しっかりと覚えろよ」


「はい」


「良い返事だ。まず十二大元素魔法は名の通り十二種類の元素の魔法のことだ。元素の種類は、火・水・木・光・闇・雷・氷・風・土・金属・音・空気だ。次に十大特殊魔法だが、これも名前のままだ。種類は、治療・共鳴・陰・陽・召喚・運命操作・死・滅亡・科学・不老不死の十個だ。とりあえず、種類だけはわかったか?」


一気に情報が入ってきて、覚えるのが大変そうだったけど、まだまだいけそうだった。


「はい」


「次は…まあほぼ教える必要ないが、とりあえず教えるか。元素魔法の一つ上に分子魔法がある。例えば、水と風で竜巻・火と光で太陽みたいな感じだ。外だし、竜巻を出せるかやってみてくれ」


「わかりました」


できるという確証はなかったが、なんだかできる気がしたのでやってみることにした。目を閉じて自分の体の中にある魔力を呼び起こし、そして竜巻をイメージして魔力をその形に変化させた。


竜巻トルネード


流石に一瞬ではあまり良い名前が思いつかなかったので、そのままの名前を口にした。そして目を開けると、目の前に大きな竜巻が発生していた。

正直、本当にできると思っていなかったので、少し驚いた。そのせいで魔力の操作が不安定になってしまって、竜巻は消えてしまった。


「朱咲、お前一体何者だ?」


アーカイヴさんが僕に驚愕のまなざしを向けて、そう聞いていた。僕はその言葉の意味がわからなかったので、頭にハテナマークを浮かべて首をかしげてしまった。


「分子魔法を使えるやつなんて初めて見たぜ。いや~。やっぱ世界は広いな」


「分子魔法って、そんなにすごいことなんですか?」


「すごいも何も、これまで使えた者がいなかった魔法だ。お前、神か?」


「私は神様じゃありません。それより、特殊魔法について教えてもらえませんか?」


「おぉ、そうだな。まずは治療だな。治療は他人や自分の傷や病気などを治したり、触れたものに自然治癒能力を与えられる。それの解除は与えた側にしかできない。」


女神は魔法全てと言っていたから、きっと宇宙魔法まで使えるだろう。正直、十大特殊魔法は便利そうなやつと訳わかんないやつがあったから、しっかりと説明を聞いて使いこなせるようにしなきゃ。


「次は共鳴だな。共鳴は、植物を含む全ての生物と話ができる。それと、一度でも触れたことがある物や生物ならば、それらの感覚を共有させることが可能だ。これは一度掛けたら永遠に解除できない。さらに、共有した生物、または物の間を感覚は相乗しながら行き来する。さらに距離は無制限だ」


「そ、それって、一度でも掛けたら、掛けられた人は必ず死ぬってことですか?」


「全くもってその通りだ。共鳴の魔法で魔族以外の生物を殺した場合、最低でも死刑。最悪の場合、女性は死ぬまで男どもの性欲処理機として扱われ、男は死ぬまで山を堀り続ける。これをみると正直女性の方がきつい刑だよな」


「イカれて…ますね」


「全くだ。次は陰魔法と陽魔法だな。これらの魔法は単体じゃほとんど意味がねぇ。陰魔法は十二大元素魔法と交わると妨害魔法になり、陽魔法は支援魔法となる。例えば火と陰で攻撃力を下げる。火と陽では攻撃力を上げる。基本的には、術者が相手と認識しているものには陰魔法、味方と認識しているものには陽魔法が掛かるようになってる」


「他には何がありますか?」


「実は陰魔法と陽魔法は幻の魔法と呼ばれている。理由は、分子魔法と同じく今まで誰一人使えなかったからだ。だからさっきの例えのやつと、陰と陽の魔法しか…あ、陰と陽のやつ教えてねぇわ」


あまりに拍子抜けしたのでずっこけかけた。


「お、良いリアクションだな」


「リアクションじゃありません。もう…先生の、バカ……」


僕とアーカイヴさんはめちゃくちゃ体格差があるので、かなり上目遣いになりながら言った。


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


すると急に、アーカイヴさんが雄叫びを上げ始めた。突然のことでびっくりして近くにあった木の後ろに隠れた。

あまりに急なことでとても怖くなったから、無意識のうちに隠れている木に聞いてしまった。


「ねぇ、木さん。あの、どうしてアーカイヴさんは雄叫びを上げているのですか?」


『お、お前共鳴持ちか?久しぶりだな共鳴持ち。わかってると思うが、もう一つの能力は使うなよ。あれは本当にダメだ』


「心配してくださりありがとうございます。それで、あれは一体どうしたのですか?」


『ま、要するに可愛い天使ちゃんに上目遣いで罵倒されてテンションがおかしくなってるだけだ。ま、そのうち直るだろ』


「え、えっと...天使?よくわかりませんが、ありがとうございます」


アーカイヴさんはそのまま5分ほど雄叫びを上げ続け、その声を聴いて様子を見に来たお母さんによって制裁が与えられた。


「すまねぇ。取り乱しちまった」


「大丈夫です。それより、陰と陽でどうなるのですか?」


「陰と陽が交わった時の効果ははっきり言ってイカれてやがるから、教えるのすら恐ろしいが知りたいならば教えてやる」


「ドキドキ…」


「それは、相手全体の魔力を全て消滅させ、その魔力の分だけ味方全体の魔力を回復する。という効果だ」


「な、何ですか?そのチートじみた効果」


「ちーと…って何だ?」


「あ、えーっと…チートって言うのは、常識の域を超越し過ぎていて…えっと、その…もうどうしようもないということです」


言葉の説明が少しおぼつかなかったのは、きっとこれまで感覚的にそのままの言葉で使っていたせいで言葉が出てこなかったのだろう。言語の説明ってやっぱり難しい。


「ん、そうか。なら確かにちーと?だな。でも使えるやつはいねえよ」


「一つ、試してみても良いですか?」


「良いが、実験台はいるか?」


「欲しいです」


「わかった。ちょっと待ってろ」


アーカイヴさんが沢山の魔力を込めているのがわかった。すると、アーカイヴさんの周りから魔力を持ったゴーレムが5匹出てきた。


「これは…?」


「これは次に教えようと思っていた召喚だ。ま、見たまんまだな」


「なるほど。ありがとうございます。アーカイヴさんは少し離れてください」


「離れる必要があるとは、一体何をするつもりだ?」


「見ればわかります」


空気中の魔力が枯渇しているのが判った。でも、関係なかった。体内にある魔力を解放して陰と陽の魔法を同時にイメージして解放する。もう目を開けたままでも、イメージして魔法を使うことができるようになった。

すると前にいたゴーレムが全て土塊となって崩壊し、自分の体の中に入ってくる魔力の奔流を感じた。


「お、お前…その魔法は……」


「はい。陰と陽の混合魔法です」


「さっきそこの木としゃべっていたよな。お前一体何者だ」


「ただの歌妖精族プーカですよ」


僕は少しいたずらっぽく笑いながら言った。アーカイヴさんは、少し納得できないって感じの顔だったけど、世界は広いなと感慨にふけりながら言って、お母さんのところに行った。

戻って来て


「今日はもう終わりだ。復習だけはしておけよ」


「はい。ありがとうございました」


そう言うとアーカイヴさんは笑顔で頷き、去って行った。

そのあとお兄ちゃんと合流した。


「もうお昼だからご飯食べに行こう」


「だね」


そして一緒に食堂に向かった。




・・・




「なぁリネスタ、あの兄妹どう思う?」


二人が食堂に行ったのを確認した後、アーカイヴはリネスタに問うた。


「ただならぬ素質を持っているのは間違いない。特に朱咲、あやつは底が知れん」


「リネスタもそう思うか。魔法の種類もそうだが、あいつには空気中の魔力以外で魔法を使う術を持っている」


「何?それは誠か」


「あぁ。さっき召喚魔法で空気中の魔力を枯渇させたが、それ以上に魔力を使う魔法を使いやがった。もう訳わかんねぇよ」


アーカイヴは朱咲の異能さにもう何をすれば良いのか判わかなくなり、天を仰いだ。

今回説明してない魔法は次回以降に紹介します。

それではありがとうございました。

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