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世界は僕らの邪魔できない  作者: 九十九疾風
第1章 転生と異能とそれぞれの過去と
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第一章 一話 異世界転生と入れ替わり

それでは第一章スタートです。

文章評価、ストーリー評価ありがとうございました。してくださった方々、とても嬉しかったです。

気が付いたら知らない場所にいた。

確かに死んだはずだ。

訳が判らなかった。

隣には朱咲もいた。

そして目の前には見知らぬ女の人がいた。


「はじめまして。私はある世界の女神です。あなた達は2つの世界の狭間にいます」


といった。そして、


「あなた達はあの世と私の世界、どちらがいいですか?」


と続けた。あの世は嫌だ。


「後者で」


「私も」


朱咲も続けた。


「それでは、これから私の世界の歴史をざっと教えます。ですが、その前に、あなた達は何になりたいですか?」


なりたいものは?と聞かれたから素直に答えた。


「朱咲」


「お兄ちゃん」


言ったタイミングは寸分のズレもなく同時だった。朱咲も同じ想いだったと知って嬉しかった。すると女神は驚きと呆れの混ざったような表情をしつつも、僕達が本気だと気づいて女神の顔から驚きが消えた。そしてため息を一つついた。


「判りました。それでは、質問を変えます。あなた方は人間族と獣人族と亜人族と妖精族なら、何になりたいですか?」


僕は亜人は嫌だし、獣人は何か判らないし、人間にはなりたくなかったから、答えは一つになった。


「「妖精族」」


全く同じタイミングで同じ返答をする僕達に、呆れを通り越して感心しているような表情でさらに質問を投げかけてきた。


「判りました。では、猫妖精族ケットシー歌妖精族プーカ風妖精族シルフでは、何になりたいですか?」


けっと、しー……?ぷー………もう何が何だかわからないからもう勘だけで答えた。


「歌妖精族で」


「私も」


今度は朱咲がワンテンポ遅らせて答えた。僕に合わせてくれたのだろう。と、言うことは朱咲もさすがにどういう事なのか理解出来ていないのだろう。


「判りました。あなた方にしてもらいたいことはただ一つです。魔王を倒してください」


女神の話が急に飛んだせいで、言葉の意味が判らなくて考えていると、朱咲が少し小首をかしげて聞いた。


「つまり、あなたの世界が今魔王とその手下達に支配されたので、私達にそれらを倒してあなたの世界を取り戻してほしい、という訳ですか?」


朱咲は昔から頭の回転と切り替えが速いので、こういう時は朱咲が僕よりも優れている。


「その通りです。話が早くて助かります。なら、もう何も説明しなくてもいいですね。それではご武運を」


女神は、もう話すことは何もないというように、吐き捨てるように言った。


「ちょっと待ってください。一つだけ質問させてください」


僕は、女神と別れる前に一つだけ聞きたいことがあったので、女神にそう言うと、女神は振り返ってため息を吐いて、


「いいですよ。何ですか?」


「僕達に与えられた能力って何ですか?」


「それは、あなたは武術、妹は魔法です。他に何かありますか?」


「いえ、大丈夫です。ありがとうございました。」


「それではまた会える日まで。と言っても、あなた方ならすぐに会えるでしょう。それではご武運を祈っております」


そこで視界がブラックアウトした。ただ一つ、意味深な言葉を残して。


『中央の女神、キラハヴィの名の元に―――』




・・・



気が付けば知らない場所にいた。そこは森だった。とりあえず、状況を確認するため立ち上がった。周りには木以外何もなかった。

ただ、視線があまりにも低かった。僕はそのことを不思議に思い、隣で寝ているであろう朱咲の方を見た。だが、そこには予想だにしなかった光景が...そう、そこに眠っていたのは誰であろう僕だったのだ。

って、え?僕!?何で?と少しパニクったが、とりあえず自分を起こしてみることにした。

軽く揺すると僕の体は起き上がった。そして、


「あれ?なんで私、自分に起こされてるの?」


なるほど。とりあえず、女神は僕達の体の中を入れ替えたと言うことか。


「お兄ちゃん、これってどうなっているの?」


とりあえず、自分が気づいたところまで説明した。すると朱咲も納得したようだった。


「そこにいるのは誰だ!」


突然後ろから声を掛けられて驚いた。反射的に後ろを振り返ると、20歳半ばくらいの女性が今にも襲い掛かるような体制でいた。きっと、私は敵じゃありませんと言っても信じてくれないだろう。どうしようかと考えていると…


「お前ら、その見た目は我らと同族か。それとも人間族か。確認させてもらう。いずれ菖蒲あやめか」


杜若かきつばた


「荒馬の」


くつわは前から」


女性は戦闘態勢を崩して丁寧に礼をした。


「襲い掛かろうとしてすまなかった。同族だと思えなくてな。」


「いえ、大丈夫です。」


というか、確認ってあれだったのだろうか?めちゃくちゃ簡単だったけど。


「私の名前はリネスタ・アーガポロスタだ。よろしく。さっきは失礼をした。」


「大丈夫です。気にしないでください。ぼ…私の名前は朱咲です。御瀧 朱咲です」


「えと、わ…ぼ、僕の名前は星琉です。御瀧 星琉です」


「よろしくな、朱咲、星琉。あなた方は兄妹か?いや親子かな?」


明らかに間違えられていた。いや、これは仕方がないことなのかもしれない。


「双子です」


「そ、そうか。とりあえず、私が村まで案内する。話はそこからだな」


「判りました」


というより、朱咲、お前全くしゃべってないじゃん。でもまぁ、仕方ないか。朱咲は他人が苦手だからなぁ。


「それより、君達は何処から来たのだ?」


1人で、少し考えに耽っていると、前からリネスタさんが話し掛けてきた。でも、何処からって判らないし、なんて答えよう。


「すみません、判らないです。」


「そうか、ならよい。質問を変えよう。君達の種族は何だ?」


「歌妖精族です」


確か女神がそう言っていた筈だ。


「そうか、歌妖精族か。私もだ。これから任務などで一緒になるかもしれない。その時はまたよろしく」


「あ、はい。こちらこそ」


よかった。殺られるかと思った。

そうこうしている内に、村に着いた。

これから少し説明回が続くかもしれません。ご了承ください。

それでは今回もありがとうございました。

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