第一章 11話 星琉の過去
この話はいじめが含まれます。無理な方はあまりオススメできません。ご注意ください
その日は蒼く澄んだ空の日だった。
いつもの道、いつもの学校、いつものクラスメイト…その日もいつもと変わらない、朱咲のいない学校生活が始まると思ってた。でも、その日はいつもと違う事が起こった。
「皆席に着け」
いつもと同じ素っ気ない先生の合図で朝のHRが始まった。その後出席確認をし、挨拶をした。
「今日は転校生がいるから紹介する。入ってこい」
先生が少し威圧的に言った。僕らはあれに少し怖気付いたが、転校生の人はそれを気にするどころか、逆に対抗するような威圧的を放って教室に入って来た。その転校生の顔は見たことがあった。いや、見たことがあったなんて次元じゃない。絶対に忘れられない顔だった。その転校生は……
朱咲をいじめていた人だ。
「どうも、はじめまして。司度 天羅です。よろしく」
言葉こそ簡素だったが、纏う空気から果てしなく禍々しく複雑な気配を感じた。周りのクラスメイトはどうか分からないが、少なくとも先生はそれを微かに感じたらしく、また面倒なのが来たなという顔をした。
「天羅の席はあそこの席だ」
先生は空席―――朱咲の席の隣を指差して言った。転校生――天羅さんは短くはいと答えると席に向かった。自分の席に着くと、空席の理由について先生に聞いた。
「先生、隣の席が空席の理由は何ですか?」
「そのことか。天羅には関係の無い事だ」
「そうですか」
僕らの担任は最低の人間だ。面倒だと思ったことは何がなんでも関わろうとしない。朱咲が引き篭もった時、僕に朱咲のことで何があったか聞かれたが、その時に僕が朱咲の事で分かっていることを全て言うと、何か困ったことがあったら言ってくれと言っていたのに、今はその問題に一切触れていない。あの時は先生としての仕事の為だけに面倒臭いと思いながら聞いたのだろう。僕らの担任は本当に自分勝手だ。
「それじゃ、今日の連絡をする。まず………」
先生に少しイラついていると、先生がいつも通り始めた。
そして少し違う日常が始まった。
天羅さんから何らかの接触やちょっかいがあるかと内心ビクビクしながら過ごしていたが、それは杞憂だったようで何も無かった。もしかしたら、もう何もする気が無いのかな。そう安心して次の日学校に向かった。
学校に着くと、クラスの人に「体育館裏に来い」と言われた。言われた通りに体育館裏に行くと、そこには仁王立ちの天羅さんとその子分的な位置に二人のクラスの人がいた。名前は分からない。
「急だったのに来てくれてありがとな。早速だが本題に入る。お前なら予想は出来てるだろう」
「朱咲の……こと?」
「分かってるじゃねぇか。あの空席は朱咲の席だろ。だとしねぇと割合わねぇ。あのお前よりも優等生で何があっても学校を休まないような奴が休んでるんだ。何があったかは気になるだろう」
朱咲のことをそんな風に評価してくれているということを知って少し嬉しかったが、何を答えるべきかを考えるのに必死で、そんな気持ちは一瞬で消え去った。
「自分の部屋に……引き篭もってる……」
少し考え、端的に事実だけを伝えるのが妥当だろうという考えに至り、事実だけを伝えた。
「そうか」
天羅さんは短くそう言うと、踵を返して帰って行った。帰る間際、天羅さんがぼそっと零した言葉、その真意は分からなかった。
「お前も、同じように弱いんだな」
そしてその日を境に………
僕へのいじめが始まった。
最初は陰湿だった。持ち物を隠す、捨てる、奪う……机に変な落書き……ありもしない噂を流される等々………そして、三月の中旬からそれは暴力に変わった。まずは人のいない所に呼び出されて少し殴られ、その時間は日に日に長くなった。
僕はそれに耐えた。あと少しだから……と。微かな希望を頼りに耐えた。
そして次の年度が始まり、クラス分けが発表された。僕はまた、天羅さんと同じクラスだった。そして、朱咲とも同じクラスだった。半分絶望しながら、半分希望に胸を馳せながら新しい教室に向かった。これまでと何ら変わりなく、毎日放課後に呼び出されて殴られた。
ある日、クラスで話し合いがあった。それは不登校状態の朱咲をどうやって登校してもらうかと言ったものだった。
クラス委員の人が前に立って仕切っていた。
「今からクラス会を始めようと思います。放課後なのに残ってくれてありがとうございます」
その人は丁寧に皆にそう言うと、早速内容に入った。
「話し合う内容は、御瀧朱咲さんについてです。双子の兄妹として、星琉さんはどう捉えますか?」
「えっと……僕としては、今は、そっとしておいてあげた方がいいと思う。まだぐちゃぐちゃしてる感じだから……」
その頃の僕は少し病んでいたのかもしれない。誰にも朱咲の心を治すことが出来ない。そうやってもうほとんど諦めていた。それを察してか察さずかは分からないけど、学級委員の人は優しく対応してくれた。
「そうですか。何か力になれるような事があればいつでも言ってください。私は先生に報告に行くので、もう解散してもらって大丈夫です」
そう言って教室から学級委員の人がいなくなると、天羅さんがクラスどころか学校全体に響く様な声で言った。
「おい星琉!お前妹のことだろがぁ!!それならもっと責任持って様子見ろよ!お前がそんなんだからいつまでも朱咲が閉じこもってるんだろ!!俺なんか違うこと言ってるか!答えろよおら!」
そう言うと、天羅さんは皆がいる前で思いっきり殴ってきた。一瞬何が起きたのか分からなかった。ただ、顔に激しい衝撃が走ったと思っただけだった。僕はそのまま床に倒れ込んだ。その状態の僕に追い討ちを掛けてきた。馬乗りになり、殴り続けた。誰も天羅さんを止めようとしない。いや、止められないのだ。そのまま天羅さんは殴り続け、何分たったか分からない程の時間殴られ続けられた時、扉からものすごい剣幕が聞こえた。
「こらー!天羅君は何をしてるんですか!!」
その剣幕に天羅さんが少し驚いて僕の上からどいて後ずさった。ほとんど動けない体の首から上だけを微かに動かして声の主を見た。そこにはクラス委員の人が怒りを全面に出して立っていた。
「下の階の職員室まで聞こえてましたよ!心配になって早く戻りたくても先生の話は長いしで!しかも先生気づいてない振りして!!」
途中から先生への愚痴になってたが、この人はそれ程までにこのクラスのことを大切に思っているのだな、と感じた。
「それてやっと終わって戻って来たら……星琉君は何も悪いことをしてないのにこの仕打ちにあってて…もう我慢なりません!天羅さんは何のためにこんなことをしたんですか!!!!」
クラス委員の人がずかずかと天羅さんの方に歩いて行きながら言っていた。天羅さんは表情は変えなかったが、明らか驚いているのが分かった。そして天羅さんの目の前に立った。
「黙ってないで何か言ったらどうですか!」
天羅さんの表情に怒りが浮かんだ。いけない。このままじゃ…そう思って必死に手を伸ばした。
「黙って聞いてりゃわーわーわーわーうるせぇんだよメスが!!!!」
「どっちがですか!私がいなくなってからわーわーわーわー言ってたのは天羅さんじゃ無いですか!それを棚に上げて…しかも………」
その時、指先がクラス委員の人の足に触れた。
「あっ……」
その事に驚いてクラス委員の人が僕の方を見た。もうあと一歩で取り返しのつかないことになるところだった。僕は全力で声を振り絞って言った。
「もう…………いい………か…ら…………………」
「ほら、本人もこう言ってるぜ。それともなにか?俺とやりあうのか?」
クラス委員の人は何か言いたげに天羅さんを睨んだが、一言、諦めたように言った。
「もう…いいです。皆さんも、もう帰った方がいいと思いますよ。今日のことは他言無用でお願いします」
クラス委員の人がそう言うと、皆がぞろぞろと帰っていった。もちろん天羅さんも。クラス委員の人は一人で、僕の安否を確認してくれていた。
「星琉君、大丈夫?保健室行くなら連れてってあげようか?」
「い…………え…ゴホ…………大……………じょ…………う………夫で……す……………ゴホ……ゴホゴホゴフッ」
喉から何かが出てくる感覚があって反射的に口を手で塞いだ。その手を見ると、血が付いていた。
「ねぇ、本当に大丈夫なの!?」
「大……ゴホ………じょ………ゴホゴホ……ゴホ…………う………………ゴホ…ゴフッ」
また、口から血が出た。それからはもう喋ることもままならず、咳き込み、時折血が出た。
「ちょ、ちょっと星琉君!口から血が出てる!全然大丈夫じゃない。保健室に早く行って処置してもらわないと」
クラス委員の人はそんな状態の僕をみて直ぐに保健室に連れて行ってくれた。らしい。その光景を見ていたクラスの人から聞いた。僕はその時既に気を失っていた。
どれだけの時間が経ったか分からない。ただ、天井を見上げてた。口に微かに血の味が残っていたが、もう出ていないらしい。
「あ、良かった。目が覚めた」
声がした方を向くと、そこにはクラス委員の人が座っていた。きっと、ずっと看病してくれてたのだろう。
「その、ありがとうございます。えっと…」
「あ、自己紹介まだだったね。私の名前は天桜 渚沙。クラス委員してます。よろしくね。それでこっちの男子は同じクラス委員の架納寺 拓輝」
「よろしく〜」
「お二人共よろしくお願いします。すみません。こんな遅くまで看病して頂いてしまって……」
僕がそう謝ると、渚沙さんがキョトンとした顔で言った。
「クラス委員として当たり前でしょ。そんな事で一々謝らんくてもいいよ」
「でも、元はと言えば僕が…」
「星琉君は何も悪くないよ」
「悪い」と言おうとしたら渚沙さんが言わせまいとでも言うように真剣な顔で言った。いつも顔に浮かべていた人懐っこい笑みは、渚沙さんの顔から消えていた。
「あれは天羅さんが勝手に理由付けてただけ。星琉君は何も悪いことしてないよ。だから、そうやって自分を責めないで」
その言葉に僕はその時助けられた。もし渚沙さんが居なかったら、僕はそのままずっと天羅さんのいいなりになってたかもしれない。その後渚沙さんは僕の手を取って、笑いかけながら
「もしこれからいじめられたりしたら、いつでも私たちを頼ってね。申し訳無いなんて思わずに。私たちはクラス委員だから、面倒事を解決しなきゃだしね」
と言ってくれた。これまで一緒に立ち向かってくれる人が居なかったから、僕は心の底から嬉しかった。
渚沙さんが僕の家に連絡してくれたらしく、もう少しでお祖父ちゃん達が来るらしい。そして自分は親が心配してるだろうからと、僕にごめんねと言いながらあわてて出て行った。
そして数分の静寂があり、保険室のドアが空いたかと思うと……
「星琉〜!!!」
尋常じゃないくらい慌てたお祖父ちゃんが入って来た。
「大丈夫やったか!?怪我しとらんか!?怪我しとるなら病院に!」
「大丈夫だよ。怪我とかも無いし、痛みもほとんど無いから」
自分で言って気づいた。あれだけ殴られたのに、怪我どころか痛みも無い。思い当たる節はあるにはあるが、きっと気のせいだと決めつけた。
そう言っても心配そうな顔でこっちを見るお祖父ちゃんを見て、僕はとっても幸せな気持ちになった。
「帰ろう。お祖父ちゃん」
「そうじゃな。いつまでもここにいるわけにはいかんからな」
そして、僕とお祖父ちゃんは一緒に家に帰った。
ただ、その時の僕は気づいていなかった。これが新たな悲劇の始まりに過ぎないことを…………
次の日。僕はいつもと変わらずいじられると思った。でも、その日は僕へのいじめが少なかった。と言っても、いつもと違ってという意味で、いじめはあったのだが……
なら、いつも僕をいじめてた分から少なくなった分はどうなったのだろう。そう思い、少しいろんな場所に行ってみた。すると、ある時間には渚沙さんが、またある時間には拓輝さんがいじめられていた。
そう、魔の手は僕以外にまで拡がってしまったのだ。
二人がいじめられてると知った僕は、直ぐに二人を呼んで3人で話し合った。
「星琉君は、いつもあんな酷いことされてたんだね。もう耐えれなくなって来たかも……」
渚沙さんが、珍しく口にした弱音。その声はこれまでと違い、消え入りそうな声だった。拓輝さんも同じくの様だった。僕は、そんな二人を慰められる程の力が無い。でも、一つだけできることはある。
「渚沙さん、拓輝さん、これからは3人で踏ん張りましょう。かの毛利元就は言いました。矢が一本では簡単に折れてしまうように、人も一人では簡単に折れてしまう。でも、3本の矢が決して折れないように、3人束になれば決して折れることは無いと。今は別々に天羅さんに立ち向かったらいけないと思います。だから、3人で一緒に立ち向かいましょう」
人は一人だと、自分で抱え込んで閉じきってしまう。そう、まるで今の朱咲のように………それを知ってるからこそ言えることだった。
「そう、だね。3人一緒なら怖くないよ。星琉君ありがとう!拓輝も、一緒に頑張っていこう!」
こうして、3人で天羅さんに立ち向かった。常に一緒にいる訳では無いけど、何をされたか、何を言われたか等を共有した。
共有することで少しでも楽になればと思ってやっていた。実際効果は出ていて、気持ちは楽になった。そんな日常が続き、一学期を乗り越えて二学期になってすぐくらいに、拓輝さんが急病で倒れて入院した。
本人は大したことないと言ってたけど、到底大丈夫とは思え無かったが、逆に心配させてしまいそうな気がして病室を後にした。
その三日後………
拓輝さんの容態が急変し、そのまま元に戻ることなくこの世を去った。僕は渚沙さんと二人で泣いた。泣いて泣いて泣き続けた。それが何の解決にもならない事を知りながら………でも、涙はとめどなく溢れた。
二人になった僕達に追い討ちを掛けるようにいじめは過激化した。先生は頼りにならず、周りの大人も面倒事から目を逸らし、結局、頼れるのはお互いのみ。二人三脚でいじめから耐え続けた。
でも、それはあまり長くは続かなかった……
11月20日
「今日の12時40分に屋上に行かないと」
僕は夢を見た。不思議な夢だった。一つの言葉を残して消えた。その声は………紛れもない朱咲の声だった。
嫌な予感がした。夢でいわれた通り、ぴったりの時間に学校の屋上に行った。すると、そこには…今にも飛び降りそうな渚沙さんがいた。
僕は必死で渚沙さんを引き戻した。
「星…琉君!?なんで止めたの………?」
渚沙さんの口から出た声は、今にも死のうとした人の声としては驚く程いつもと変わらなかった。
「止めるよ。友達が………親友が今にも死のうとしてたら、そりゃ止めるよ!」
「で、でも…………もう、私は無理。死ななきゃ、もうダメ…」
「なら、さ。渚沙さんは、天羅さんみたいな人の為に命を棄てるの?人生を諦めるの?」
「わ、私だって、あんなのの為に死ぬなんて嫌だよ!でも、もう……………」
「僕は、ずっと前向きで、明るい渚沙さんが羨ましいです。こんなちっぽけな僕なんかより、ずっと強い渚沙さんが…」
「私は強くなんか!……強くなんか……無いよ………」
「ならさ、弱い者同士、肩組んで、足並み揃えて、一歩ずつ生きていこう。そしたら希望が見えるかもしれないし」
「そっ…か。そうだね。そうだよね!ごめん。私どうかしてた。これからもよろしくね!」
渚沙さんは憑いてたものがどこかへ行ったように、肩の荷が降りたように、清々しい顔つきになっていた。
僕は渚沙さんが2度と死にたくならないように守ることを心に誓った。
それからもいじめは続いた。でも、僕はこれまでと違い渚沙さんを守ることをし始めた。
でも、それはお互いを苦しめる選択だった。
次の年2月14日
バレンタインの日だった。
渚沙さんに屋上に呼び出された。何の用事かは伝えられず、ただ来てということだった。少し疑問に思いながら、屋上に向かった。
屋上に着くと、渚沙さんがいた。けど、いつもと雰囲気が少し違った。なんというか、とても悲しげで………
「渚沙さん、お待たせしました。いきなりで悪いのだけど、僕を呼び出した理由を聞いてもいいかな…?」
「うん。いいよ。でもね、それは今から手順を追ってく上で話すことだから、今は話さない。それじゃぁ、まずはね、うーん。どこから話そうかな…………」
「渚沙………さん………?」
やはり何かおかしい。危機感を感じ、渚沙さんに何かを言おうと口を開きかけた時に、渚沙さんがもう腹を括ったとでも言わんばかりの表情で言った。
「星琉君……今までありがとうね。私を守ってくれたり、助けてくれたり…………でもね、私、もう疲れちゃった。ごめんね。一緒に立ち向かうって約束したのに…………えっと……これ、受け取って」
そう言って渚沙さんは、小さなクマのぬいぐるみをくれた。
「それ、私からのバレンタインの贈り物………手作りだから、不格好だけど。ねぇ、星琉君は、私のこと、ずっと憶えていてくれる?」
僕は全力で頷いた。すると、渚沙さんの顔からふっと力が抜けた。
「ありがとうね。もし、星琉君が死にたくなったら、そのぬいぐるみの中を見てね。これから、そのぬいぐるみを私だと思って大切にしてね」
最後の方の言葉は泣いているせいでかすれていた。でも、ちゃんと聞き取れた。
そんな渚沙さんを、僕は止められなくて………
「じゃあね、星琉君。これまでありがとう。ごめんね。大好きだよ………」
そう言うと、渚沙さんは飛び降りた。僕はその光景を、ただ立ち尽くしながら見るしか出来なかった………
それからその学年が終わるまでの間、ずっといじめに耐え続けた。次の学年で、違うクラスになることを願って………
そして、新学年となり、登校してクラスを確認した。
また、同じクラスだった。
その後、僕は何をしたか憶えてない。ただ気がつくと、自分の部屋の机に突っ伏していた。
もう死にたい。もう死にたい。もういっそ死のう。その考えがずっとループしながら………
そうしてたら不意に、どこからか声?いや、音がした。普通のアラーム音だ。誰の目覚まし時計だろうか。
そう思って音の鳴りどころを探すと、そこにはクマのぬいぐるみがあった。
『死にたくなったら、その中を見てね』
渚沙さんの言葉が脳裏を過ぎり、ぬいぐるみの背中のチャックから中を見た。すると、そこには1通の手紙があった。
『星琉君へ
私は死んでしまってる立場だから、死ぬな!とか、死んだら自分の人生を無駄にするだけだ!とかは言えません。でも、これだけは言えます。朱咲ちゃんを救えるのは、星琉君だけです。予感とかじゃない。確信してます。だから、その命を、棄てるのではなく、朱咲ちゃんの為に使ってあげて。それがきっと救いになるから
渚沙より』
その手紙を読んで、僕は泣きそうだった。渚沙さんの心の広さが手に取るように感じられた。
そして、僕は朱咲を救う為に活動した…………………
大変遅れて申し訳ございません。これからは怒涛の勢いで行きたいと思います。
待って頂いた皆様、本当にありがとうございます。




