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因果応報

作者: ヤン

浮気がバレ、呆気なく終わった交際は、実は彼女の事がとても好きだったという随分と我儘で最低な事実を突きつけてきた。

何、一年も浮気してほざいてんだよ。

と、思いつつも忘れられない彼女。

気づいた時には、もう遅かった。

昨日の事実を全力でぶん殴ってやりたい。

既に我が家に彼女に荷物も残り香もあるはずは無く、まるで彼女がそもそも存在しなようにすら思えてきた。

電話するのは怖くて、メールを送った。

ただし彼女が見てくれているか、まだ俺のメールアドレスを入れていてくれているのか、すら俺はわからない。

事実上、俺は今、彼女の元カレだ。

それも彼女の中で過去、最低の“元カレ”である。

彼女もそろそろ結婚してもいい頃だ。

つまり、次に付き合う人物は“結婚前提”か後の“結婚相手”になる可能性が高い。

別に彼女との結婚を考えていなかったわけでは無い。

浮気する暇あるなら彼女にプロポーズでもしとけよ、とも思ってくるが、それならまず、浮気なんてしない。

彼女には未練タラタラで、俺の日常生活が順調なはずは無く、むしろ最悪の一方をたどる。

精神的にも、時間的にもそれは同じ。

彼女の家に行ってはストーカーと呼ばれそうで怖い。

でも彼女に会いたい。

社内には俺が振られた事が知れ渡り、ついに恐れていた事が起こった。


『あっ・・・』

公園で見つけた彼女と男。

隣の男は?

一体何処のどいつだ?

楽しげな様子で歩く二人。

ふと、彼女の指が太陽の光に反射した。

左手の薬指に光るそれ。

彼女は指輪なんてしなかった。

声をかけようとして、出来なかった。

なんて話しかければいい?

浮気したような元カレが。

男は彼女の旦那かもしれない。

それとも彼氏かもしれない。


遅かった。


遅すぎた。


最低だ。


頭の中をよぎった“因果応報”


付き合って間も無い、彼女が嘲笑ってる様な声が聞こえた気がした。

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