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電車に乗ると、僕しかいなかった。
電車は走り出す。
電車が止まる。誰かが入ってきて
僕の隣に座った。
電車は、走り出す。
よるの街が車窓から、とても綺麗に見えた。
僕は、チラリと横を見る。
昔、僕が、好きだったロックミュージシャンのような人だ。
電車が止まる。その人は電車を出ていく。
また、電車が走り出す。
また、止まり今度は僕が、電車を降りる。
家まで鼻唄をしながら、帰り着替えて寝る。
おっと、その前に目覚ましをセットしなきゃ。
僕が、机の上の目覚ましを取ろうとすると、机の引き出しが少し、だらしなく開いていた。
閉めようとすると、一枚の写真が目に止まった。
2年前の僕の写真だった。
電車で、乗り合わせた、あの人にどことなく似ていた。
(終わり)




