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懲りない男の伝説  作者: 麒麟
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006

 ギルド長の部屋を出た雄大はそのままギルドを後にした。


(とりあえず宿だな。宿とったら軽く武器も見たいな。まず、武器屋でいいか)


 雄大はそう決断し、武器屋へと向かった。


「らっしゃい!......っ!?」

「おっさん。客の顔見て嫌そうな顔するな。安心しろ冷やかしではない」

「.....そのくれぇ見りゃ分かるっての。つーかお前さんの実力に合う武器がないから冷やかしみたいなもんだぞ」

「ほぅ、俺の力が分かるのか。さすが武器屋だな。いい目をしている」


 雄大は実力を見抜いた武器屋の店主をほめた。


「けっ、この道何十年もしてりゃ分かるんだよ。.....ただ分からねぇことが一つある。お前さんの獲物はなんだ?」

「一通り使えるな。得意不得意はない」


 雄大は中学生の頃、買ったり作ったりした武器で密猟をしたりしていた。もちろん、バレたことは一度もない。


「そうかいそうかい。俺はそいつの足運びを見りゃ大体のやつらの獲物はわかる。だがな、お前さんは変だ。ここにある武器だ該当しねぇのかとも思ったがそうでもねぇ。なんかよ......言っちゃなんだが不気味だ」

「ふっ、よく言われたよ。その言葉。悪魔、人外、やらな。一部聞いた話では子どもに叱るときに使われたこともあるらしいな」

「......なにしたんだよ、お前さんは...」

「気に食わない店を世間的にと物理的に潰したな」

「......なんか、買ってくかい?」

「いや、いい。そうだ。魔法を使いたいんだがどうすればいい?」

「なんでだろうな。教えたらとんでもないことになりそうだよ」

「で、どうするんだ?」

「人それぞれだな。体内にある魔力を変換させた使うんだが、主に二種類あってなーーー」

「なるほど、こうすればいいんだな」

「なっ!?」


 雄大の掌の上には小さな火の玉が出現していた。


「なるほど、魔力さえ感知できれば簡単だな。魔力量を計算しながら使わないといけないのが少々面倒だ

「......お前さんよ、その感知に天才でも一ヶ月はかかるんだぞ?」

「天才なら、だろ?俺は天災と呼ばれたこともあるからな。このくらい楽勝だ」

「......そうかい、そうかい」

「ありがとうな、これでーーー気になることが一気に増えた。くくくっ」

「......」


 不気味に笑いながら去る雄大に、武器屋の店主は声をかけることができなかった。







 そして翌日


「依頼を受けたい」

「かしこまりました、では、こちらになります」


『ゴブリン村の殲滅 100000G』

『オーガ亜種討伐 30000G』

『スライム変異種の捕獲 20000G ※捕獲のみ』

『薬草の納品 10束400G』



「あからさまになったな」

「はい。ギルド長よりユーダイ様の受ける依頼はここから選ぶように、とのことですので」

「ランクの制限とかないのか?」

「一応ございますが、こちらはユーダイ様視点のFランクだから問題ないと、のことです」

「一般的なランクを聞こうか」

「はい。ゴブリン村の殲滅ですが、一般的には個人に依頼する内容ではありません。Dランク冒険者30名以上のレイド依頼となっております」

「ギルド長はバカなのか?」

「次にオーガ亜種の討伐ですがCランク冒険者4名以上となっております。スライム変異種の捕獲ですが、討伐ならDランク冒険者2名で可能です。ですが、捕獲ですので難易度は倍以上にあがる事が予測されます。薬草の納品は正真正銘Fランクです」

「じゃあ、やくーーー」

「出来れば薬草の納品は勘弁してほしいとのことです。他の冒険者の依頼を減らしたくないとのことで」

「そんなの知らん」

「.........ギルド長からの伝言です。『ゴブリン村に言ってみたら?魔法の実験ができるかもよ?』とのことで」


(本当いい性格してるな、あのジジイ。はっ、ここは乗せられてやるか!)


「いいだろう、ゴブリン村、いってやるよ」

「ありがとうございます。場所は街を出て10kmほどのところです。素材の剥ぎ取りはけっこうですので、よろしくお願いいたします」

「今回だけだからな」




 そして後にギルド長は語る『もう、ユーダイを無理矢理動かすのはやめよう』、と。

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