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勇者になるはずだった僕は、  作者: ユウキ
戦闘チュートリアル
19/60

勇者君が殺された?

フォル視点です


『ユーシャァーーーーッ!?』


『キャアアアアアーーーッ!!』




気がついたら勇者君が倒れて頭から血を流していた。あの出血量じゃもう死んでいるだろう。


シオンたちが倒れて動かない勇者君の周りを飛び回っている。

それはまるで勇者君を守ろうとしているようにも見えて・・・。



・・・・・・・・・・え?




「えっ!? 勇者君・・・なんでッ!?」


『フォル!?』


『モトニモドッタノー!?』




シオンたちが不安そうに私の元に飛んできた。



元に戻った・・・?



あぁそういえば私、SANチェック失敗して・・・あー、そうだ。

世紀末かと思うレベルの減少をくらい、その後のアイデアロールも成功。一時的発狂に陥ったのか。

・・・あの減少量でよく一時的ですんだな・・・元々精神力が高かったから一時的で済んだのか。


それで発狂内容もロールして決められて・・・確か今回は『殺人衝動』だったか。

今回だとイタクァに神風特攻かますことになると思うんだけど・・・あれー?




とりあえず周りの状況をよく見てみよう。



さっきまでイタクァがいたなんて嘘みたいに空気が暖かい。

若干壁が焦げているようにみえるけど、それはきっとアイツが突撃したせいだろう。実態は炎だったんだしね。


私がなんで銃を持っているのかも気になるけど、多分戦闘中に出したのだろう。357口径マグナム・リボルバーだ。ダメージは1D8+1D4だったな。


それより気になるのは床の銃痕だ。

いや私が銃持ってるからあってもおかしくはないんだけど・・・なんで勇者君の体の下に隠れてまであるんだ?


倒れた勇者君は頭から血を出している。床にある銃痕や傷口から見て銃殺かな。さらに頭を強く殴られた痕もある。撲殺もありえそう?このへんは専門じゃないからわからないな。

体が固くなってきているような気もするけどまだ温かさが残っている。死んだのはついさっきのようだ。


・・・イタクァは炎で攻撃してくるはず。アイツが犯人ならどこか燃えたり焦げたりすることはあっても、血は出てこないだろう。

つまり勇者君はイタクァではない誰かに殺されたわけで。

そんなことができるのは・・・・。






 ま さ か 






「・・・ねぇシオン、さっき何があったの?」


『エットネー、マズユーシャガバケモノヲタオシチャッタノー!』


『ユーシャノケンデグサーッテ!』


『イチゲキダッタンダヨー!』


「えっ、一撃!?」





勇者君、そんなに強かったのだろうか?

・・・いや、そうか。私が召喚しようとしたときに言った言葉を思い出す。



『呼び出すのは適当な雑魚あたりでいいかな。勇者君の相手に丁度よさそうなやつを頼む。』



そして現れたのは風の中を歩くもの。

あいつを『一撃で倒した』なんて普通に考えてありえないのだけど、呼び出そうとしたのは『勇者君が相手をするのに丁度いい雑魚』。

本来なら屍人グールでも出るかと思ったのだけど、クリティカルが出たせいで雑魚だけど一番強いやつが出たのだろう。


・・・もっとも、勇者君はアイツが雑魚だなんて思わなかっただろうけどな。





「ふむ。勇者君がイタクァを倒して、その後は?」


『フォルガオカシクナッチャッテルコトニボクラガキヅイテー』


『ユーシャハフォルヲタスケヨウトオモッテー』


『フォルニチカヅイタンダケドー』


『フォルハユーシャヲコロソウトシチャッタノ!』


「なんだって!?」





私が、勇者君を殺そうとしただって・・・!?





『ユーシャハマズフォルヲトメヨウトオモッテフォルにトツゲキシタンダケドー』


『フォルはカワシテ、ユーシャヲジューデナグッチャッタノ!』


『ソシタラユーシャハアタマカラチヲダシテ』


『タオレタママウゴカナクナッチャッタ!』


『タオレテウゴカナクナッタユーシャニフォルハチカヅイテ』


『アタマニジューヲツキツケテ、ソノママウッチャッタ!』


「・・・勇者君にヘッドショット・・・しかもゼロ距離で撃ったか・・・」





即死だな。

殺人衝動に駆られた私はイタクァではなく勇者君を殺そうとしたのか・・・。







・・・・・・・・・・・。







いや、まずは勇者君を回復させないと。

私は腰に下げていた本を開いた。

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