だって僕は、勇者なんだから!
やっぱりね。
私はろくな戦闘描写はできないんですよ!
VSイタクァ、最終回。飽きたとも言う。
本当は生贄捧げるつもりでした。
ダイスはくるくると回り、やがて本の上に落ちてきた。
・・・? 今度は何をするつもりだろう?
イタクァを見たことによるSANチェック(2/2D10+1)
フォルセティ(90)・・・出目 98 ファンブル
「ファッ!?」
出目がよくなかったのか、彼女はまたさっきのように・・・いや、さっき以上に顔を絶望の色で滲ませた。
「なんだこれ減少値でかすぎるだろ!? 世紀末か!?
まさか私の精神力高すぎるから減少値もでかいんですかそうなんですか畜生ーッ!?」
???
どうしてそんなに・・・イタクァ出たとき以上に焦ってるんだろう? ますます訳が分からない。
しかもイタクァもフォルの行動を待ってるのか、さっきからずっと力を溜めていて僕らに攻撃してこない。
・・・・・・・・はっ!? 今のうちにイタクァに攻撃できないかな!?
正直怖い。不安でしかたない。でも・・・
(やるしか・・・ない・・・っ!)
そう決めて深呼吸をひとつする。
後ろではフォルがまだ騒いでいたが、今はそんなことを気にしていられない。
落ち着け、大丈夫。やれる、信じろ、僕なら出来るーーッ!
剣をギュッと握り締め、イタクァに向かって突撃する。
「うおおおおぉぉぉぉぉ!!!」
するとイタクァの二つの目が僕を捕らえる。どうやら狙いは僕だけになったようだ。
負けられない、そう思うと剣が僕の思いに答えるように刀身に光を帯びる。
その途端まるで体が妙に軽くなったような、そんな浮遊感に似た何かに襲われる。
(・・・あ。またこの感覚か。)
今度はその感覚に体を任せてしまうように、僕は走りながら目を閉じる。
その瞬間、記憶に似た何かが僕の中に流れ込んでくるのを感じた。
・・・あぁ、分かった。
彼女が『絶対大丈夫』だと言った理由。この感覚。
僕はこの剣をどう扱うのか・・・知っている!
だって僕は、『勇者』なんだから!
そして僕は目を開ける。
・・・目の前にはイタクァが大きな口を開けて迫っていた。
大きな口には青白い煙が集まっていっている。
でも・・・もう遅い!
「はあああああぁぁぁッ!!!」
僕は大きくジャンプして、イタクァの頭(にあたるであろう部分)に剣を突き刺した。
衝撃が体中を突き抜けてくけど、なんとか耐えて剣を深く深く押し込んでいく。
やがてイタクァは『グァァァァァ・・・・!!』とうめき声を上げながら消えていき、周囲を覆っていた冷気も消えていった。
「や、やったの・・・・!?」
『ユーシャ、スゴーイ!』
『アノバケモノヲタオシチャッタ!』
はぁはぁと息を切らせていると、シオンたちが飛んできた。・・・今まで一体どこにいたんだろう?
『スゴイネ、スゴイネ! ユーシャ、ツヨインダネ!』
「いや・・・僕が強いんじゃなくて、この剣が強いんだよ。」
でもまさかあの化け物を一撃で倒せるとは思わなかった。
僕なんか体力も力もないただの村人だ。勇者の剣・・・相当強いんだな・・・。扱いには気をつけないと。
そう思っているうちに息も整ってきた。
落ち着いて前を見たらシオンが心配そうな顔をしていることに気づく。
「あれ? どうしたのシオン?」
『・・・ネェユーシャ、アノバケモノハキエタンダヨネ?』
「う、うん。そのはずだけど・・・?」
『ジャアジャア、ドウシテフォルハオカシイノー?』
「えっ!?」
そう言われて僕は急いでフォルを探す。
フォルはさっきの場所から動いてはいなかったが、さっきまで騒いでいたのに今ではまったく動かずに下を向いて固まったまま動かない。
明らかに様子がおかしい。どうしたのだろう?
僕はフォルのそばまで寄って声を掛けてみる。
「フ、フォル・・・? どうしたの・・・?」
「・・・ハハハッ」
「え? ど、どうした・・・」
するとフォルは急に下げていた顔を上げて、狂気じみた笑みを浮かべて叫んだ。
「野朗ブッ殺してやる!!」
そう叫んだ彼女は開いた本から魔法を発動。
僕と同じように武器を呼び出したようだ。本の上に銃が浮かんでいる。
あ、あれ・・・?
「あの、フォル? もうアイツはいな」
「死にやがれぇ!!」
そう言うと、彼女は僕に向かって銃を乱射しはじめた!
ハウスルールってやつで、私はファンブルだと無常の最大値でSAN値減少させます。
しかもフォルは図書館に住んでるだけあってINTとEDUは高いのです。
つまりアイデアロールが成功しやすいのです。・・・もう分かったな?