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勇者になるはずだった僕は、  作者: ユウキ
物語のはじまり
12/60

僕の名前は・・?


自己紹介をしようとしたところで僕はまた奇妙な感覚に襲われた。






あれ、なんで? 

なんで僕・・・自分の名前がわからないんだ!?








名前が分からない。思い出せない。

・・・いや、そもそも僕に名前ってあったのだろうか?


村の人は僕を何て呼んでいたっけ?

母さんには? 父さんには?

僕は一体、なんて呼ばれていた? 勇者か? 

・・・いやそんな呼び方したのはフォルが初めてだ。


じゃあ、僕は一体・・・?










「ど、どうしたの勇者君? 大丈夫?」


『ドコカイタイノー?』


『ドコカオカシイノー?』






突然固まってしまった僕を見て三人は心配そうにして声を掛けてきた。


どこかおかしいの?、か。そうかもしれないな。

僕は少し自嘲的に笑いながら答える。

自分で言うのもなんだが、このときの僕は少しおかしかったと思う。




「・・・わからないんだ。」


「え?」


「自分の名前が・・・わからないんだ。」


「えぇー? ど、どういうことなの・・・」


『ナマエガワカラナイノー?』


『ドウシテー? ドウシテー?』


「僕にもわからないよ。でもなんか変な感じがするんだ。」


「変な感じ?」


「前にも感じたことがあるんだけど、今回はなんていうか・・・そう、まるで僕には最初から名前がなかったような・・・そんな感じが。」


「名前が最初からなかった・・・? 

・・・あー、なんだ。そういうことか・・・」


「え?」




はぁ、とフォルは納得したようにため息をついた。


え? 今の話のどこに納得する部分があったんだろう?

彼女は頭をかきながら「どうするかなー」と呟く。




「ど、どういうこと?」


「うーん、多分勇者君の言うとおりなんだよ。

君には最初っから名前が設定されてなかったんだ。

だってアースガルド冒険譚は勇者も魔王も国も村も、名前がが何一つ出てこない話だったはずだからねぇ。」


「え?」

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