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差し込み解説1


【ゼロ】

「こんにちは、ゼロさんです。今日はここの仕様とか歴史とか色々語って欲しいって言われたので、ここに来てます。僕も長い方ですけど、最古参ではないので間違ってる部分も少々あるでしょう。まあ、聞き及んでいる話がほとんどですから、誰かが訂正とかはないと思います」


【ゼロ】

「ああ、最初に警告を入れるべきでしたね。当然ながら本筋とは関係ないので、興味のない方は飛ばしてくださいな。システム関連の仕組みについては、書いている人が整理したいため、テスト的な意味合いが強いのかもしれませんね」


【ゼロ】

「と、この三つのセリフ具合を見て分かるかと思いますが、まず、地の文担当がボイコットしてらっしゃいます。出てきても一行か二行でしょう。ひどい手抜きです」


【ゼロ】

「反論もなしか……。地の文による状況描写とかはされない様子なので、セリフばっかりになりますね。しかも同一人物が立て続けに発言します。嫌いな人は読むのをやめましょう。なんか、小説の書き方とやらには反している模様ですが、これは本編とは関係ないオマケ――いわば設定集ですよ。気楽にいきましょう」


◆◇◇◆◇◇◆


・第三世代


【ゼロ】

「メアリーさんは根っからの第三入り組ですからね。因みに僕は二・九組くらいです。タイミングが悪かった」


【ゼロ】

「第三組を説明する前に、初代と第二をささっとおさらいしておきましょう。初代は、ここの架空世界がゲームではなく金持ちの息抜きとして使われていた頃に始めた人たちを指します。というか、そもそものコンセプトが、お金持ちの気紛れというか、田舎で職場体験みたいなもんでしたから、遊んでた人も大人の、それも30歳台って言ったらかなり若いぐらいの、そういうお金がある暇人が対象だった訳です。第二の人生を楽しむ……って感じですかね」


【ゼロ】

「第二世代は、初代を遊んだ人たちの子どもや孫に当たります。このとき既に仮想空間としては最上のシステム――手触りや味覚、香りとか色の再現ですね、そういうものは完備されていて、世間でもニュースになったとか。でも一般人に公開されるのは第三期前後でして、遊ぶためにアプリをダウンロードするには住所や現在の仕事や学歴を明記する必要があったんです。元が大人の遊び場だったので、迂闊に新規ユーザーを歓迎できる状態ではなかった、と今では言われてますよ。初代の頃は、偉い人が愛人を連れ込んで、奥さんには内緒の遊びとかあったらしいので」


【ゼロ】

「厳密に言うと、こんな感じのもっと犯罪的な事件が第三期組に居るんですが……この話はまたあとで。目の前で勇者さんが百烈拳撃ってきて危ないので」


【勇者】

「ちょっと遅れて来たら、またその話題か。いい加減おれも怒るぞ」


【ゼロ】

「こないだも怒ってたじゃないですか。それに事実ですからね。勇者さんも若かった……じゃ済ませませんよ?」


【勇者】

「そういや、ゼロとは本気で戦ったことないなぁ。デスペナいれてやろうか」


【ゼロ】

「ははは。僕は一応、ベータ版のメインクエストをクリアしたってことになってるので。結構です」


【勇者】

「途中で帰ったのに、クリア扱いなのか」


【ゼロ】

「他ならぬ勇者さんが一人で突っ込みたいとか言ったんですよ」


【勇者】

「そういやそうだったか」


【ゼロ】

(まさか下半身的な意味でも突っ込むとは、当時は思いもしなかった……)


【勇者】

「まだ言うか」


【ゼロ】

「なんのことですかね。……今でも、そういう未成年お断りなシステム自体は存在するんですよ。だいたいの人は相手がいないので無意味ですけど。リア充はいいなあ」


・第三世代 No,2


【ゼロ】

「第三世代は、第二世代の要望によって組み立てられたゲームらしさが確立し始めた時期です。僕や勇者さんが大暴れしてたのが、懐かしいですね」


【勇者】

「ゼロに関しては今も大暴れだろ?」


【ゼロ】

「勇者さん、フルブーメランですよ。とはいえ、完全にゲーム化した訳ではなく、初代や二期からずっと遊んでいた人もいた訳です。その人々はちょっと変わったことに挑戦してる方が多くて、でも周りは同じ方向に尖ってるのであまり気にされなかったのですが、一般公開後は境遇や理由がうまく伝わらなくなって……今ではほとんど見掛けませんね」


【勇者】

「始めたばっかの頃は、食堂でサイケな色の料理を作る人がいたな。今はNPCで再現されてるが、いつから居なくなってたのか記憶が全くない」


【ゼロ】

「まだいる人というと……ログ門にいる化石ぐらいですか。第二期の人は結構見掛けますけど……やっぱりほとんどは本業や仕事が忙しくなって、忘れてしまったんでしょうね。初代の方だと……もしかしたら、寿命が来てしまった可能性もないとは言い切れません」


【勇者】

「寿命か……まだまだ遠い話だな」


【ゼロ】

「勇者さんはまだ未成年ですし。忘れずログインしているとはいえ、まだ始めて二年ぽっちですから。長いような短いような時間ですねえ、720日」


【勇者】

「日に戻すと短く感じる。不思議。……話を元に戻そう」


【ゼロ】

「第二世代の後半で、現在のメインクエストの区切りを担う、魔王の討伐イベントが組まれました。最初のジョブシステムといい、レトロですね、展開が」


【勇者】

「……その時にはもう居たのか。せっかくの第一イベントが開催されるも、当時最先端の活躍をしていた……通称大阪兄弟が、あっという間にイベントを終了させてしまう」


【ゼロ】

「本来は敵や新しく開拓したダンジョンから素材を集めてから、イベントボスへの道が開くはずなんですけど……あの二人が物理的に魔王を封印してしまったので、正しくは魔王役をしていたプレイヤーをさんざん脅かしたので、イベントが続行できなくなってしまったのです」


【勇者】

「なんか苛々して来た。今度会ったら10回ぐらいリスキルしてやりたい。……なあ、おれよりあの二人の方が犯罪的じゃないか?」


【ゼロ】

「どっこいどっこいです。で、その封印された魔王が復活する――という体でメインクエストが開始されます。最初はチュートリアルを兼ねたお使いとか、アイテム収集とか、装備とかスキルとかの使い方で、途中から世界観を構成するためのストーリーボスと戦うものが多くなりました。ラスボスは魔王、場所も告知されていて魔王城と周辺ダンジョンの位置は地図をみれば分かります。ただ、実際にその場に行くと“勇者じゃないと通れない”みたいなメッセが出てクリアは出来ない状態だったんです」


【勇者】

「これは公式会見で言ってたことだが、ゲームとして快適に遊ぶためのシステム調整に時間がかかり、メインクエストの実装が遅れた。最終エリアのバリケードも二回目のイベントで解放する予定だったらしい」


【ゼロ】

「運営としては、第一回のイベントの反省を生かして、みんなが参加できる形態へ持っていきたかったとか。特殊なジョブクエストの達成で、勇者という職をゲットし、このジョブレベルに応じてモンスターへのダメージが増加する……そんなことを考えていたそうです」


【勇者】

「だが、そのジョブのバランス調整中に誤ってそこの特殊フィールドに入ってしまうというバグが発生する。10回連敗すると街への帰還を選択できたから、バグに引っ掛かった人も閉じ込められずに済んだ。その時はまだバランス調整が始まったばかりでクリアできるはずがない、と考えられていた訳だが」


【ゼロ】

「この人はその未完成の勇者職を手にいれてしまったんですよねー。実は勇者さんの前にバグを発見した人が、勇者を取得できる場所があるって掲示板に書き込んでいたんですよね。魔王城周辺の謎バリアを解決する鍵になるんじゃないかって突撃してったプレイヤーは多かったと思います。全部返り討ちにあったようですが。返り討ちの生々しいコメント類を見て、僕は挑戦をやめました。でも勇者さんはこれ知らなかったんですよね?」


【勇者】

「掲示板って攻略ばっか扱ってるもんだと思ってたから。なるべく入りたくなかった」


【ゼロ】

「それが今や掲示板の常連客なんですから、不思議なものです。クエスト自体は襲ってくる小鬼を10体倒す、という簡単なものなんですが、レベル20になると強制的にメインジョブを選ばされるので、メインもサブも埋まる勇者職を手に入れるには、それ以前の挑戦が必要です。いわば素っぴんで突っ込まなくてはならず、持ち込んだアイテム類は補充されないほか、負けるとレベルが一つ下がるので、一発で勝つぐらいじゃないと苦しくなる一方です。レベルが低いので所持自体が稀ですが、死んで復活するときに装備していたレアアイテムとかが紛失しちゃうと、もう勝ちはほぼ望めませんし。勇者さんはどうやって勝ったんです?」


【勇者】

「運が良かった……としか言い様がないな。あれで負けてたらおれは諦めたと思う。なんか気付いたらフィールドに居て、見たことない……いやあるけど持ってなかった剣が、アイテム欄に入った。なんで勝ったのかは、あれか?均等にダメージが入ってたからか?」


【ゼロ】

「ふむ……今となっては何の意味もない情報ですが、興味深いですね。たしかクエスト内容が、村に襲撃してくる魔物の群れを追い払うことですからね。村を防衛しつつ倒すと、ボーナスとして村からの支援が受けられたのかもしれません。モンスターを殺戮するだけなら勇者以外でもできますし」


【勇者】

「プレイヤーを殺戮するのは魔王側の人間として当然だよな?」


【ゼロ】

「さすが悪の道に堕ちた勇者……言うことが違いますね。まったく、勇者さんが掲示板に来てくれないので、例のジョブを取得したって情報はなかなか流れなくて。公式はバグ空間だから入るなって言って封鎖しちゃうし。ラスチーの村で僕と勇者さんが会わなければ、勇者なんて闇に葬られていたかもしれませんね!」


【勇者】

「ゼロはおしゃべりなのが難点だと思うんだ」


【ゼロ】

「情報はみんなで共有するべきです。特にこんな調査が終わらないまま、調べることも出来なくなった事例はね。もやもやが取れて僕はすっきりしましたよ」


【勇者】

「気分の問題かよ。そのあと実装予定だったイベントと勇者職が中止になって、バリケードは解除されたんだが、主にゼロのせいで、上位ランキングの連中が“せっかくだから初回ぐらいは勇者に譲るか”とか言い出して……」


【ゼロ】

「その頃ですよね、フミタカさんとセルさんが加入したのは。そのあとラスダンに入って……魔王城の前で死亡フラグを立てて……。実際に突き刺さって……。もしかして、勇者さんやけくそでした?」


【勇者】

「いや、愛だな」


【ゼロ】

「それなら別にいいですけど。ちょっとした事件のあと、勇者さんは単身で魔王城に向かい見事ラスボスを倒します。しかし、なんかラスボスとの恋愛フラグを見出だした勇者さんが、いやラスボスさんの方は勝手に約束されただけだと思いますけど、仮にも正義の、人間の味方というべき勇者が魔王側に寝返ってしまいまして」


【勇者】

「強引に婚姻を結んでから始まる恋だってあるじゃん。魔王が姫をさらうとか」


【ゼロ】

「強k……いえ止めておきましょう。勇者ってジョブが問題なんですよ。これから悪の幹部とかならまだしも……いや無理か。こうもストーリーが二転三転するとは、運営さんも思ってなかったでしょうね。当時は相当頭を抱えただろうことは、容易に想像できます」


【勇者】

「ゴメンネ」


【ゼロ】

「このとき勇者パーティーに属していた僕らは、メインクエストのクリア判定を貰いました。それ以外の、次挑むのは自分たちだと意気込んでいた上位陣や他のプレイヤーは、未クリアとしてメインクエストがリセットされ、新たな世界観が築かれます。闇の勇者として覚醒したこの人が魔王軍の地位を上げるため、あれこれ画策するサクセスストーリーです」


【勇者】

「おい。確かに魔王側にプレイヤー誘致したりとか、魔物を鍛え直したりとか、歯向かうプレイヤーに圧勝したりとかしたけど、その言い方じゃ語弊があるだろ」


【ゼロ】

「本気で言ってんのか。充分だろ」


【ゼロ】

「で、新しく作られたストーリーは、寝返ったプレイヤーたちをはっ倒し、幹部の四天王も倒して、こんな展開は間違っている!と魔王に指差すものになりました。ここからを第四期に指定し、一番盛り上がっていた頃になります。今はご存じの通り人も少なくなってきたので、寝返ったプレイヤーを倒す部分は省略されるなど多少の変更はありますけど、大筋は第四初期のものから変わってません」


【勇者】

「今だと、お使いしてたらいきなり四天王の存在が出てくるから、すごく不自然さを感じる」


【ゼロ】

「順番に倒すと、普通→普通→弱い→さいつよ……な難易度になってて、めっちゃ不自然さを感じるそうですよ。偽魔王に関しては弱点がはっきりしているし、上げやすい物理攻撃がよく通るのでそう感じやすいのだと思いますけど」


【勇者】

「サクサク倒せちゃったら四天王の存在意義がなくなっちゃうじゃん」


【ゼロ】

「ケイトさんとメアリーさんに伝えたら泣きそうです。しかし、こうして見ると第三世代は波乱の連続ですね。システム的に試行錯誤していた時期と言いますか、まだ完成していなかったからやれることがあったというか……」


【勇者】

「ジョブの組合わせで称号を貰えたり、プレイヤーの要望したスキルが採用されたり、追加要素について掲示板で考察されたり。色々あったなあ」


【ゼロ】

「人が急に増えたので、プレイヤーキルも流行りましたね。僕はプレイヤーキルキルで経験値を美味しく頂いたクチですけど」


【勇者】

「向かってくるプレイヤーはほとんど敵だったから、レベルがガンガン上がって楽しかった」


【ゼロ】

「レベルが上がるってことは毎回勝ってた、ってことなんですが……」


【勇者】

「勝ったよ。勇者だもの」


【ゼロ】

「簡単に言いますね。元がイベントジョブだから、数値的には優遇されているとは思いますが……。やっぱり理不尽ですよ」


【勇者】

「課金して強くなってるゼロも大概だと思うんだが」


【ゼロ】

「課金は仕様ですから、誰も文句言いませんよ?」


【勇者】

「おれだって仕様(のようなもの)だし。誰も文句言わなくなったからセーフだよな?」


【ゼロ】

「文句言えるような人がいないだけですよ、それ」

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