2「また明日、この場所で」
2話目です。
81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/6/14(火)
とりあえず、一言だけ。
リア充氏ね。
82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/6/14(火)
>>81の一言につきるな。
リア充を乗せる助け舟なぞ無い!
その後も、「リア充だから」とか、「イケメンだから」とかの理由でどうすれば良いかの解は帰ってこなかった。
112:栗悟飯とカメハメ波:2011/6/14(火)
まぁ、写真撮られちゃったわけだし、広められたくなければ、
一回その子と話してみるほか無いでしょ。
113:鳳凰院凶真:2011/6/14(火)
ああ、場合によっては口封じもしなければな。
まともなレスはこの2人からだけだった。
とりあえず、明日は栗悟飯さんの方法でやってみようと思う。
とにかく、流出だけは気をつけないとな。
では、おやすみ。
-朝-
「あぁ、学校行きたくねぇ」
心の叫びであった。
スレは、130程まで埋まっていたが、まともなレスはまだ付いていなかった。
とりあえず、学校に行く事にした。
-学校-
私立岐阜南第三学園
一応、歴史ある学園であるが、規則は比較的緩い。
学園全体が楽しい雰囲気に包まれている。
「おう、和也。おはよう!」
そう言って、こっちに向かってきたのは親友の佐藤慎也だった。
「ああ、おはよう」
2人で適当に雑談しながら、昇降口まで歩いた。
そして、自分の靴箱を開けたとたん、「バサッ」と音と共に大量の手紙が落ちてきた。
「またか。うらやましい限りだ」
そう、この大量の手紙は全てラブレターだった。
俺は、その全てを持参していたビニール袋に入れる。
「また、捨てるのか」
「あぁ、そうするしかないだろ」
無情だというかもしれない。
俺だって、最初のうちは読んでいたさ。
でも、中にはストーカーまがいの手紙などもあった。そうでなくとも1日に何百通もの手紙を読むのは不可能なのである。
だから、無情だとは思いつつも俺はそれを捨てる。
だが、これだけでは終わらないのである。帰りにはさらに2倍となって、再び靴箱に入っているのだ。
俺は、毎日毎日こう思う。
「憂鬱だ」
とな。
-昼休み-
結局、昼休みまで彼女-紅蓮葉-は見つからなかった。
名前だけで探すのは意外と困難な物である。
だが、諦めるわけにはいかない。
俺は弁当を素早く食べ、早々と紅蓮葉探しを再開させた。
-校庭-
あれから、汗だくになりながらも、校舎の中を探し回ったのだが、彼女は見つけられなかった。
「はぁ、どこに居るんだろ」
そう呟いていた時、裏庭の方から怒声が聞こえた。
『おらぁ!大人しくしろやぁ!』
……無視は出来ないよな。
行ってみよう。
-裏庭-
木の陰から、そっと様子をうかがってみる。
……彼女だ!
そこには、俺が捜し求めていた人、夏風紅蓮葉と4人の不良が居た。
見るからに、彼女は不良に絡まれているようだった。
「良いだろ!付き合ってくれたって!こんなところにまで来て、〈あなたとは付き合えません〉って言われて、〈はい、そうですか〉って引き下がれるわけ無いだろうが!」
「な、いいだろ?少しでも付き合ってくれれば、こっちも満足するしさ」
どうやら、不良の一人が告白をして、紅蓮葉はそれを断ったが、なおも強く紅蓮葉に迫っているようだ。
「私にそんな義理はありません!」
おいおい。紅蓮葉の言ってる事は正論だが、今は逆効果何じゃ?
「いいから、こっち来いよ!少しでいいから!」
「きゃあっ!」
彼女の腕が掴まれた。
……静観してる訳にもいかない。
彼女を、紅蓮葉を助けないと!
……相手は4人。
だが、ここで紅蓮葉を見捨てるわけにはいかないんだよ!
「待て!」
俺は、木の陰から飛び出る。
「誰だ!?……お前は、あのイケメンの」
「男の敵、天馬和也だな!」
……周りの男から俺ってそんな風に思われてるのなorz
まぁ、そんな事は置いといて。
「俺の名前は天馬和也などではない!」
そもそも、複数の男で一人の女を囲むなんて事をやるお前らは男ですらねーよ。
「は?いや、お前は天馬和也だろ」
俺は、女の子を救うためなら男の敵にだってなってやる。
「教えてやろう!俺の真名は、暗黒の天馬!
暗闇に天馬と書いて暗黒の天馬だ!」
とにかく、こんな奴らは……ぶちのめすのみだ!
「ダークネス・ペガサスだって?てめぇ、ふざけてるのか?」
「ふざけてなど居ない。ただ、貴様のような三下……いや、下等生物の頭では理解できないだけだよ」
「……もう一度言ってみろ」
「フッ、何度でも言ってやる!貴様のような下等生物の頭では理解できないんだよ。
ククク、フゥーハハハ!」
「ほざけぇ!」
怒り狂った4人が俺に向かって来る。しかも、全員鉄パイプ持ちと来た。
「くらえ!」
不良(仮にAとしよう)のパイプが振り下ろされる。
だが、俺はそれを体を数cmずらし、いなす。
「なっ、なんだと!」
次に不良B、cが来る。
俺はその両方を足で受け止め、鉄パイプを蹴飛ばした。
不良Dの攻撃は左手で受け止めた。
「なんで、俺らの攻撃を受け止められるんだ!」
「完璧超人ってのはやらなければならない事も多いんだよ」
「お前ら!立て!」
4人のリーダーと思われる不良Aが他の不良を立たせる。
「うおおおおおおおおおおおおおおおお」
今度は4人がかりで襲ってくる。
「……はぁ」
ため息をつきながら敵の突進をかわす。
「普段ならもっと手加減してあげても良かったけどさ。
ちょっとむかついちゃったんだよね」
「五月蝿い!」
「女の子一人相手に何やってんだテメェら」
「黙れ!」
「そして、さらに俺に男の敵とも言った」
「それがどうした?」
「もし、だ。もしも女をいじめるお前らのような奴が男だとか思ってるならよ。
……その、幻想をぶち殺す!」
俺は不良Dの顔面におもいきり拳を打ち込んだ。
「がぁ」
「さぁ、踊れよ!俺の前で!」
そのまま、起き上がり向かって来るA、B、Cをなぎ倒す。
「そして、教えてやろう!」
そして、尚も立ち向かって来る相手に対して、
「お前達は4人だ。たしかに力をあわせれば強いだろう。
だがな、それでも俺を倒すには、まるで、全然、程遠いんだよ!」
男女平等パンチを叩き込む。
4人は地に伏す。
「さぁ、約束しろ!今後一切、この少女とは関わらないと!
そして、俺の命令に逆らわないと!」
『誓う!誓うから!これ以上殴るな!』
俺は拳を止める。
「なら、今すぐ!この俺の前から失せろ!」
「え?」
一人が、間抜けな声を上げる。
「良いから、失せろって言ってんだよ!」
そう言うと、一目散に逃げていった。
……いやー必死すぎて、真名とかアニメのセリフとか言っちゃったよ。
まぁ、勝ててよかったぜ。一応、オタクなこと以外は完璧を目指してるからな。
武道も少ししたことがあったんだよな。
そして、俺は彼女に近寄る。
「あ、あのさ」
「あ、ありがとうございました!」
紅蓮葉はそれだけ言って、そのまま去っていった。
だが、俺は聞き逃さなかった。
最後に、小さな声で、
「また明日、この場所で」
と言っていた事を。
とりあえず帰宅して、スレにこのことを書き込む。
125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/6/15(水)
おお、>>1かっけぇ。
ただのリア充かと思ってたが、お前、良い奴じゃん。
126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/6/15(水)
これは、好感持てるな。危険から、女の子を護ったわけだしな。
方法は別としてな
127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/6/15(水)
徹底的にぶちのめさなければ、もっと好感度が上がってた罠
どうやら、今日のことが高評価を受けているようだ。
……方法は別としてのようだがな。
そして、その夜から、スレ民達が真面目に質問に答えてくれるようになった。
……ちょっとやりすぎた感もあるかな。