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ゲーム好き、モンスターに無双(したかった)  作者: koyapiro
シンガポール編

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4/5

高難易度コンテンツはゲームの醍醐味とかいったやつ誰だ?

 夜だ。

 今日もゴブリンを倒そう。あ、でもどれだけ倒してもステータス更新が全然来ないんだ。

 この世界の仕様はよくわからないが、やはり上に行けば行くほど必要な経験値ってのが増えるんだろう。

 この世界にはMAXが60のくせして、必要な経験の折り返しが56のゲームがあるんだ。

 それを考えるとこんなん余裕だ。

 だが困った。ゴブリンを倒しても意味がないのに出てくるモンスターはゴブリンだけ。

 スライムの1匹や2匹、いや1体や2体出てきてくれてもいいのに。


「行くぞ」


 こんな風に前振りも何もなく言ってくるというのは、一人だけだがそれで伝わると思ってんのか?


「主語と修飾語をつけてしゃべらんかい。」


「すごいなそんなん覚えてるんだ。」


 馬鹿にしてんな。

 いやこの目はまじで覚えてなかったパターンだ。


「聞いて驚け、これ小学生の範囲な」


 驚くんじゃねえ!

 まじかって顔してる涼介くん。さすがに地理に全振りしすぎでしょ。


「で、結局お前が言いたかったことはなんだよ。」


 話が進まないのでもうツッコミは諦める。


「外でモンスター倒そうや」


「倒すって言ってもゴブリンだけだろ」


「種類増えてるかもしれへんやん」



 まあそうか。俺もいつまでも、ピーターと涼介にステータスで負けるわけにもいかないし。でも俺丸腰なんだよね。日本にいたときに憧れて模造刀買ったけど、冷静になると恥ずかしいな。


「武器とかないの?ウェポン」


 ウェポンという言葉に反応したのか家から持ってきた包丁を笑顔で指差すピーター。

 危ないわ。


「魔法があるじゃないか!」


「ないんだよ!!」


 こいつまじか。俺が一番傷つく所を的確に刺してきた。悪魔の顔してる。


「嘘だよ。お前は素手や」


 いやそっちの方が嘘であって欲しかった。


 というわけでただいま、チャイナタウン。

 一旦そこら辺にあった商店街にはいる。

 ところどころにゴブリンはいるけど襲われない。

 強くなりすぎちゃったか〜。調子乗ってたら異臭が鼻を突く


「くっさ」


「これやばい、やばい」


 ピーターと涼介が鼻塞いで何か持って来たと思ったらそこにはドリアン。当たり前でしょ。これもう嫌がらせだろ。ああ近寄らないでくれ。ウソでしょ近くにいるゴブリンが逃げてったんだけど。



 アアアアアアアアアアアアアア



 突然ものすごい音が商店街に響いた。ゴブリンじゃない。何この音?絶対良くない音してる。ゴブリンが逃げていったのってそういうこと?危機管理能力高すぎるだろ。

 ピーターと涼介もびっくりしてる。


 ガッ


 左手に何かが当たる感覚がした。


「ッ、いったあああ」


 なんだ?何が起きた?左手はめちゃくちゃ痛い。まじ泣きそう。いや涙は出てる。


「翔太!!ぶべ」


 俺に気を取られた涼介も何かに当たって吹っ飛ぶ。

 まじか、ここでボス戦始まったか?

 いや、そこはいい。もういい。

 一番やべえのは


「翔太!!なんか見えるか?!」


 そうそれ!相手の姿が見えねえ。見えないものは殴れないし魔法も当てれない。


「何も見えない!」


 ピーターはどうした?あ、いた。よく見えないけどぶっ倒れてる。痛む左手をかばいながら、ピーターに近づく。


「うおおおおお、アーユーオーケー?!」


「ez」


 いや全然簡単そうじゃないけど。


「うぎゃ」


 次は右の脇腹に当たる。

 商店街の閉まったシャッターに吹っ飛ぶ。背中も打った。だがそれが何か結局分からない。痛いし晩御飯も出てきそう。


「ウォーターボール」


 涼介が魔法を撃ったみたいだ。が、何か水鉄砲みたい。


「やばいぞおおお。翔太あ、これ俺の状態が悪いと100%でうてねえ!」


「今見たわい!どうすんのこれえ」


「逃げるぞ!うわっ」


 叫びながらぶっ飛んで行く涼介。助けたいけど俺はまだシャッターの前で四つん這い。


「クッソ」


「カバー」


 ピーターが涼介を回収する。激アツだあ。完璧なカバーに惚れそうです。

 それよりも逃げねえと。痛みに耐えて立ち上がりスタートダッシュ。

 MAXスピードになる前に2人を回収してっと、商店街の出口へ!!


 ドン!ガッシャアア


 横の店が道に崩れてきた。

 ブレーキ!ブレーキ!


「通れねえ!」


 なんてこったい。


「突っ込め!」


 無茶言うな。俺にスピード以外を求めるんじゃないよ。


[ウィンドカッター]


 ピーターが魔法を発動!瓦礫が切り刻まれる。なんか魔法が進化してるけど一旦後回しいいい。


「よっしゃにげるぞおおお」


 今度こそ商店街の外に出る。道に飛び出し道路を全力疾走。


「逃げたか?」


 アアアアアアアアアアアアアア


「フラグを立てるなあああああ」


 そんな事言われましても。


「隠れろ!!」


 それだ!必死で走って建物にホールインワン。

 息を潜める。


「………………」


 しばらくするとあの音が商店街の方に消えていった。


「死んだと思ったあ」


「あっぶな」


 いやまさかこんなに早く死にかけるとは思わなかった。

 そしてみんないろいろ失ったものが多い。涼介は全身傷だらけ、ピーターは右足が多分折れてる。俺は左手が多分折れてて、右脇腹に大ダメージ。

 みんな仲良く満身創痍。


「帰れると思う?」


「無理」


 休憩させてほしい。特に左手が痛い。ピーターと涼介を持つ時両手に1人ずつ持ってたから限界だ。


「ならこの建物ちょっと見るくらいならできる?」


「それくらいなら」


 痛い手をピーターの肩に乗せ俺はピーターに肩を貸す。二人三脚でゆっくり歩く。涼介は1番ケガがマシなので前方を注意してる。

 少し歩くと、地下鉄の入り口に着いた。


「ここなんもないんちゃうん」


「医務室くらいあるやろ」


 たしかに。あたまがいい。暗い通路を3人で歩いていく。少し進むと改札があり、その横に駅員の部屋があった。

 その部屋には医療キットらしき物があった。もちろんわからんから消毒液で消毒するだけ。ここに来た意味あった?


「やっと一息つける」


 確かにさっきよりも随分マシだ。そう思って改札の方をみてみる。


「うわああああああああ」


 オオカミっぽいのがいる!!

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