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すべてのはじまり


 迷宮。突如現れ人類に大きなものを与え俺から大切なものを奪った迷宮。

 

 あの悲劇から彼女の時は止まったままだ。


 そう、文字通り……。


-----------------------------------------------------------


「おい、これ、やばくねぇ~?」


 緊張感のない声である。人の何倍はあるだろう怪物の攻撃を軽々といなしながら男が言う。


「まぁ覚悟の上さ!誰かが死んじまう前に決断しねぇとな!なぁ、るるる!」


 今度は狼男が喋っている。鋭い爪に大きな口で怪物と戦っているではないか。


「名前で呼ぶんじゃねぇ!ぶち殺すぞ!畜生が!」


 るるると呼ばれた少女が怒鳴る。赤いフードにマスクで顔がわからないが、その鋭いまなざしは狼男に向かっている。目の前の怪物など眼中にないのだろうか。


「松ちゃん、怒鳴っちゃ駄目よ。……でもここらで潮時かな。みんな、覚悟はいい?」


 後ろに一人控えていた灰色の髪をした女性が言う。彼女のひどく落ち着いた声にそれぞれが答える。


「いいよ~ん」

「いつでも来い!」

「うん、やっちゃって」


 灰髪の彼女はため息のような深呼吸をすると言った。


「おやすみなさい……」


 するとすべてが止まった。飄々と暴れていた男も、声の大きい狼男も、口の悪い少女も……もちろん灰髪の彼女も。


 それだけではない。戦っていた怪物、傷口から滴る真っ赤な血、空気の流れまでもが止まっていた。


 まるで時が凍ってしまったみたいに……。

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