閑話9 敵は身内に
この閑話は読まなくても問題ありません。
読んでしまうと本編56話の冒頭のシーンがビミョーになります。
【ユーゴ視点】 敵は身内に
レンが黒姫さんに連れていかれて程なく。
「マイとレンは何をしに行ったのでしょうか?」
ルシールからストレートな質問がきた。
僕にはなんとなくわかった。
たぶん、ソフィーから聞いたヤツだと思う。
男子の精子には魔力が宿っていて、セックスでその魔力を女子に受け渡せるのだとか。
黒姫さんはそれを実践しに行ったんだね。
それを彼女に言っていいものかどうか。
ルシールってレンのこと好きみたいだからなぁ。
肝心のレンはあんまり気づいていないみたいだけど。
まぁ、ハーレムものの主人公って鈍感じゃないと務まらないらしいから。
躊躇っているうちに、彼女のお姉さんがなにやら耳打ちしている。
途端にルシールの顔が朱に染まった。
あ~あ。言っちゃった。
「マ、マイがそのようなことをするなんて……」
やっぱり、彼女にはショックだよね。
でも、お姉さんのリアクションは違うみたいだ。
「あなた、まさか自分が聖女の代わりになんて思っていないでしょうね? お姉ちゃん、そんなことは絶対に許しませんよ」
思ってるよ、きっと。
「ち、違います! そのようなこと思っていません」
そうかなぁ。
ほら、お姉さんも「本当でしょうね?」って詰め寄ってる。
「わ、私はただ、マイがそのようなことをしなくてもと思っただけです」
「ほら、やっぱりそうじゃない! あなたが替わりたいんでしょう?」
「違うのです。そうではなくて、レンが直接ユーゴにあげればよいのです!」
は?
「え? レンは聖魔法が使えるの?」
「違います。レンの精をユーゴに注ぐのです!」
…………。
「ルシールはまだまだお子様ね。勇者は男なのよ? 男同士で――」
「ですから……」
「……え? お尻の……。確かに、それなら……」
「それなら」じゃないよ!
赤い顔でこっち見るのやめて欲しいんだけど。
二人が何を想像しているのか想像したくない。
ただでさえ気力でドラゴン押さえつけてるのに、テンション下がりっぱなしだよ。
あ、ヤバっ。
ほらぁ。今ちょっと動いちゃったよ、ドラゴン。
はぁ~。こんなところに伏兵がいたなんて。
レンたち、早く戻ってきてくれないかなぁ。
その後、僕の願いが届いたのか、思ってたよりも早く二人は戻ってきた。
読んでしまった方は続いて本編をどうぞ。




